日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』(毎週日曜22:30~)で、6月26日放送の「File07 オペラ座館 ファントムの殺人」に出演した古川雄大。名作『オペラ座の怪人』の舞台に関わる伝説の俳優役ということで、ミュージカル界のプリンスと呼び声の高い古川にはうってつけの役どころだ。
醜い顔を仮面で隠した怪人・ファントムが、愛する歌姫のために残虐な殺人を繰り返す『オペラ座の怪人』。その舞台を観劇しようとオペラ座館へやってきた金田一一(道枝駿佑)たちは、目の前で殺人事件に遭遇する。その事件は、顔にやけどを負った姿でファントムを演じて以降、不幸な運命をたどった天才俳優・霧生鋭治(古川)の仕業ではないかと言われているが……。
7月3日に放送される解決編を前に、今回のオファーを心から喜んだという古川を直撃した――。
■最後に脚本になかったシーンを追加
もともと堂本剛が主演を務めた初代『金田一少年の事件簿』(95年~)をよく観ていたという古川は「特にスペシャルドラマだった『雪夜叉伝説殺人事件』で、雪夜叉が監視カメラを壊すシーンは今でも鮮明に覚えています。小学生でしたが、トイレに行けなくなるぐらいすごく怖かったです」と回想。「あの時観ていたドラマが、その後も代替わりして続いていて、今回自分が出演できるなんて、すごくうれしい気持ちでした」と、今回のオファーを喜んだ。
「オペラ座館 ファントムの殺人」といえば原作ファンの間でも人気の高いエピソードだが、ドラマ化は初めて。脚本を読んで、「『オペラ座の怪人』というモチーフが巧みに織り込まれています」と語る。
「緻密な内容でした。ただ『オペラ座の怪人』とリンクさせた話ではなく、さらにそこも裏切るというか、サスペンスとしての挑戦もすばらしいです。また、恋愛のエピソードも切ないけど、とても美しいものだと感じました」
演じる霧生役については、「描かれるシーンが短いので、すごく難しさを感じながらも、1つ1つのシーンがとても重要なので、そこをしっかり描いていこうと思いました」と気合い十分。「前編と解決編で、霧生の見せ方が少し違うので、そこも監督と相談しながら演じさせていただきました。また、最後に脚本にはなかったシーンも追加していただいたので、そこで霧生の気持ちみたいなものがちゃんと完結するのかなと思いました」と受け止めた。
やけどの特殊メイクをして臨んだシーンもあるが、「本当にこういう皮膚なんだと思えるくらいすごくリアルというか。きっと年々技術的進化もしてきているんだと思います。改めてそのクオリティーに圧倒されました」と感動。
霧生は犯人ではないと信じている売れっ子劇団員の湖月レオナを好演した山本舞香については、「本当に気さくで壁がない素敵な方でした。現場では、役の話というよりは他愛のない話をすることが多く、関係性を作っていきました。とても温かい空気で過ごせたと思います」と印象を述べた。
■大沢たかおの背中を見て決意したこと
“ファントム”という異名を持つ霧生。古川は、大沢たかおの主演ミュージカル『ファントム』でフィリップ・シャンドン伯爵役を演じた経験もあるが、改めて『オペラ座の怪人』の魅力について聞いてみた。
「本当に純粋な愛が描かれているところでしょうか。改めてミュージカルを観てみると、かなり残酷な描写が多いし、報われる人はいないし、悲しいお話だなと思いますが、切ないからこそあのきれいな世界観が生まれるのかなと思います。すごくピュアゆえに狂ってしまう愛が美しいですね」
また、ミュージカル『ファントム』には、特別な思い入れもあるそうだ。
「『ファントム』で大沢さんと共演させていただいたとき、あそこまで俳優として多くを成し遂げてきた大沢さんが、また新たにミュージカルというものに初挑戦されている姿を目の前で見させていただいて、自分もそんなふうにありたいと思ったんです。その大きな背中を見て、ずっと挑戦し続けていかなきゃいけないんだと思いました。だから今回、ファントムを演じられてうれしかったです」