■プライベートも充実していないといけない
「この作品がしっかり視聴者に届いたら、一つ壁を超えられるかもしれない」と語った工藤。まずは本作のせりかをまっとうすることが現在の心境だというが、女優という仕事への思いは溢れ出てくる。
「この作品が終わったとき、さらに『あれが欲しい、これが欲しい』と貪欲になると思うんですよね(笑)。私は絵に描いたような負けず嫌いなので、なにか目標を立てて『絶対成し遂げるんだ』という気持ちが原動力になる。そういう気持ちでいないと、俳優は続けていけない気がするんです」。
女優の道に飛び込んで4年半。作品ごとの違う人間を演じるが、工藤自身は「よりパーソナルな自分がどこか役に沁み出てくる」という感覚があるという。だからこそこれまで以上に、プライベートの“工藤遥”が充実していなければいけないと感じている。
「毎回違う人間になるからこそ、芯になる部分がしっかりしていないとダメなような気がします。プライベートもしっかり充実していないと、私自身が魅力的にならない。そうなると役にも反映されないと思うんです。だから22歳の私が感じることをしっかり経験できるように心掛けて生活しています」。
■「パブリックイメージを覆すきっかけになるのでは」
初めて連続ドラマのヒロインを務めることになった本作が、工藤が感じていた女優業への壁も打破してくれるような運命的なものとなった。
「自分自身の思いもそうですが、視聴者の方にも、これまでの私のパブリックイメージを大きく覆すきっかけになるのでは……という期待もあります。この役柄を演じたことで、また新たな方向に進んでいけばうれしいですし、自分にとってめちゃめちゃターニングポイントになる作品だと思っています」。
芸歴は長いが、まだ22歳の工藤。年を重ねていくことは「楽しみ!」と断言する。
「今回共演している渡辺さんは、アーティストであり俳優であり、監督もやられていますよね。私の周りには素敵な先輩たちがたくさんいます。その方々の背中を見ていると、年齢を重ねるって素敵だなと思えます。私はすごく若いころから芸能活動していた関係もあり、なんとなく20歳がゴールのような気がしていたんです。とにかく20歳までに全速力で駆け抜けなければ……と思っていました。でも今年23歳になるのですが、この年になると、そういった焦りからは解放されて、より視野が広くなったような気がします」。
今後も女優道に突き進む工藤のさらなる活躍が大いに期待される。
『ロマンス暴風域』はMBS/TBSドラマイズム枠にて7月5日よりスタート(MBS:毎週火曜24:59~、初回は25:19~ TBS:毎週火曜25:28~ ※初回は25:50~)
1999年10月27日生まれ、埼玉県出身。2018年より女優として活動開始。2020年には映画『のぼる小寺さん』で初主演を飾る。そのほか、『461個のおべんとう』(2020)、『樹海村』(2021)、ドラマ『あせとせっけん』(2022)など。現在放送のWOWOWオリジナルドラマ『ダブル』も出演中。ラジオ『若月佑美と工藤遥のMBSヤングタウン』毎週月曜日のパーソナリティも務める。
ヘアメイク:市川良子(吉野事務所) スタイリスト:鈴江英夫(H)