アニメ・ゲーム・音楽・スポーツなど、様々なジャンルの“沼”にハマった10代を取り上げるNHK Eテレ『沼にハマってきいてみた』(毎週月曜・火曜19:30~20:00)で、今年4月からMCを務めているHIP HOPユニット・Creepy NutsのDJ松永とお笑いコンビ・ラランドのサーヤ。これまでに「デコチャリ」「シャーペン」「デスクトップミュージック」「塩」などにハマった若者たちの沼を深掘りしてきた2人は、彼らから大いに刺激を受けているとか。そんな2人が、自身の10代を振り返りつつ、沼に落ちる素晴らしさについて語ってくれた。

  • 『沼にハマってきいてみた』でMCを務めるラランドのサーヤ(左)とCreepy NutsのDJ松永

――NHKのレギュラー番組のMCが決まった時の感想から聞かせてください。

サーヤ:私は個人事務所だし、普通に生きていたらこういうお仕事をいただくことはありえないので、なんの偏見もなく拾っていただけたという感謝の気持ちが強いです。だから、すごく恩を感じていますし、この年でしかもNHKでDJ松永さんとご一緒できると聞いた時は、本当に熱いな! と思い、ぜひやりたいと思いました。

DJ松永:MCなんてやったことがなかったですし、NHKなので会社名やメーカー名を言わないように気をつけています。「松永さん、アウトです」とよく言われますので(苦笑)。

サーヤ:松永さん、けっこう言ってしまってますよね(笑)。

DJ松永:そういう時は大企業である事務所の力を使って助けてほしいなと思っています(笑)

――一緒に仕事をしてみた印象も聞かせてください。

サーヤ:元は1つだったんじゃないかなと思います。細胞分裂して別々の人格になっただけで。

DJ松永:アハハ。

サーヤ:ニシダより合っていると思います(笑)。松永さんは自由な人なので、本当にやりやすいです。

DJ松永:サーヤは非常にできる人なので、僕はもうサーヤに体重全乗っかりしているから楽です。また、人としても合ってるなと思いますね。仕事としてもそうだし、しゃべった時の感じ方や見方がすごく似ているし、近い気はします。

――沼落ちした10代の子たちに接してみて、ジェネレーションギャップみたいなものを感じることはありますか?

DJ松永:今の人は視野が広いなと思います。僕が中学生の頃は学校がすべての社会で、そこから外に出た時、何かがあるということは想像できてなかったので。だから学校で嫌なことがあると絶望しちゃう。僕も散々学校に絶望して逃げたタイプの人間なので。でも、今の子たちにはネットがあるから、いろんな選択肢があるし、いろんな価値観に触れられるから羨ましいです。僕は人一倍自尊心やプライドが高かったから、そういうのも相まって、若い頃は勝手に自分1人でのたうち回っている状況でした。

僕はサッカーをやっていましたが、ずっとレギュラーになれなくて、勉強もそうだけど、ただ流されてやってきただけなんです。それで、初めて自分からやりたいと思って明確に選びとったのがDJでした。その出会いは大きくて、本当ラッキーでしたね。それで学校をやめましたが、その時が自分の人生の取捨選択みたいな瞬間だったなと。でも沼にハマった10代の子たちを見ていると、好きなものを選び取るという判断が早くできているのがすごいことだなと思いました。

サーヤ:確かにそうですね。私も一応Z世代で、生まれた時からインターネットがありましたが、スマートフォンを初めて手にしたのは中学生ぐらいでした。でも、今の10代はネットがより生活に浸透している気がします。例えばもし誰かのファンだったとして、自分の周りに同じような子がいなかったら、1人で好きでい続けるのが当たり前だったけど、今の子たちはTwitterで繋がったりしてネットワークを広げられるから、コミュニティーができていく。情報を共有したり、シェアしたりできるのはいいなと思いました。