――安定した仕事を投げ打っての挑戦だと思うのですが、収入面に変化はありましたか?

ドーンと減りました(笑)! 家族を支えていかないといけないので、「このくらい稼げるように頑張りたいです!」と事務所にもお願いしましたが、やっぱりモデル経験が浅い人にいきなり大きい仕事は振れないじゃないですか? まずは慣れるためにコツコツとお仕事をしていくしかないんですけど、なかなか収入には繋がらなくて。もうモデルの仕事は続けられないかもしれないというところまで来てしまっていました。

――その時に事務所の方からライブ配信を勧められたそうですね。

そうなんです。もうモデルを続けられないかもしれないと考えていることを事務所の方に相談したら、ライブ配信というものがあって、時間に縛られず、自宅でもできるということを教えてもらって、始めてみることにしました。

■人生の転機を経て、今伝えたいこと

――それから苦労もありながら、世界一のライバーにまでなるんですね。石原さんは若くして出産、モデル挑戦など様々な経験をされていますが、ご自身にとって転機は何だったと思いますか?

子どもがいてくれることが大前提なんですけど、自分の人生が大きく変わるきっかけになったのは、ライブ配信を始めたことだと思います。世界が変わったし、自分の人間性にも変化がありました。ライブ配信を始める前までは仕事のことや生活のことを一人で全部抱え込んでいて、誰にも相談することもなく、一人で黙々と耐え忍ぶ日々でした。

実際ライブ配信を始めた頃も猫を被っていて、標準語で「ありがとうございます」みたいな感じで(笑)、なかなかうまく行かなかったんです。でも、しんどいから投げ出すのは悔しいですし、なんでもやってみてダメだったらやめようと思いました。その時、私は関西人ということもあって、面白いと思ってもらいたいというのが根っこにあったので、関西弁でそれこそ「おかん」って感じでフランクに話すようにしたんです。すると、段々と応援してくださる人が増えて、今では私自身のストレスも発散させてもらえるような場所になりました。

――自分らしさを大切にして、殻を破ることができたんですね。そんな転機を経て、石原さんが今伝えたいことは?

私みたいにシングルマザーで子どもが二人いても人生を変えられる、ライブ配信のようなチャンスが世の中にはあるということを知ってもらいたいです。私が始めた時に比べるとライブ配信の認知度も高くなっていますが、それでもまだこういう仕事があることを知らない人も多いと思うので。今回本を出させてもらうのも、もっと多くの人に私みたいにチャンスを掴める機会があることを知ってもらえればいいなと思ったからなんです。

私もドン底を見たことがあったので分かるのですが、先行きが見えなくなって「私ダメやわ」とマイナスな考えになってしまうこともあると思います。でも人生色々で、全てが上手くいく人なんて絶対にいないですし、前を向いてほしい。私自身、応援してくれる人が近くにいてくれることに気づいて救われました。『世界一のおかん』がそんな風に気づきになるきっかけになれば嬉しいです。

■プロフィール
石原彩香
1990年2月25日生まれ。大阪府出身。2017年に「17LIVE」で配信をスタート。世界総合ランキング1位を獲得するなど、日本の代表的ライバーとして注目を浴びる。その後、幅広いメディアで露出を増やし、現在はファッションモデルを中心に活動。ネットショップでは現在も多くのレギュラーを持つ。6月2日に自身初の著書『世界一のおかん』(clover出版 1,540円)を発売。