• 『イワクラと吉住の番組』のスタジオセット

大森:『イワクラと吉住の番組』のセットはきれいでいいですよね。

木月:きれいですよね。これは黄色と、緑、ピンクの3色の配色から決めたんですか?

小山:そうですね。最初に美術さんに「こういう風にしたいです」とか「小道具もこれを入れてほしいんです」というイメージボードのようなものを見せながら話しています。深夜の明るいリビングで2人がおしゃべりしたら楽しいなというイメージで、それが伝わらなくてもいいんですけど、汲み取ってもらえたらうれしいなと思って。

木月:これ、よく予算内にハマりましたね。

大森:結構お金かかりそうなセットですよね。

小山:だから、頑張って続けていかないとと思ってます(笑)。でも、背景は黄色一枚にして費用を抑えて、小道具で頑張ろうということで、本当に知恵を使ってます。

大森:ライティングもいいですよね。明るすぎず、バラエティっぽくない照明の当て方が印象深いです。

小山:ちょっと温かい感じにしてもらってますね。そんなところまで見ていただいて、ありがとうございます。

木月:大森さんの「ネラワリ」も、よく予算にハマりましたよね。

大森:最初のクイズのセットは、全部有り物を使いました。よく見ると『ゴッドタン』の「オオギリッシュNIGHT」のセットがあったりするんです。「若手映像グランプリ」の予算が100万円だったので、本当にギリギリで(笑)

  • ネラワリ番組『マネーのトカゲ』より(Paraviで配信中) (C)テレビ東京

小山:大森さんがこういうアートワークで意識されるのはどういうものなんですか? Twitterを見ていると不穏な展示会に行かれているのを見て、そういうのが好きなのかなと思ったりもするんですけど…。

大森:僕のアートワークのアイデアの着想はだいたい音楽なんですけど、ヴェイパーウェイブ(デパートで流れるBGMやニュース番組のBGMといった80年代~90年代のムード音楽をサンプリング&加工させたスタイルのネットカルチャーから発生した音楽)というのが好きで、これに影響されたような世界になっているかもしれないです。

木月:音楽なんですね。テリハさんは?

小山:私はファッションも好きだし、アニメもゲームもバーレスクのショーもいろいろ好きなので、二次元でも三次元でも自分がいいなと思ったものが蓄えられているのかもしれないです。

■毎週レギュラーをこなして「すごく鍛えられている感覚」

木月:テリハさんは「バラバラ大作戦」を2本やって、他にも『ロンハー』とかいろいろ番組やってますよね。

小山:フットワークの軽い働き方ができる環境にしてもらったのが大きいです。『ロンハー』と『霜バラ(霜降りバラエティX)』(毎週土曜27:00~)をいちスタッフとしてサポートしつつ、自分でしっかり企画演出する『ホリケンのみんなともだち』(毎週火曜25:56~)、『イワクラと吉住の番組』と、CSで『にゅーあのちゃんねる』(不定期放送)もやらせてもらってます。

大森:めちゃめちゃ忙しくないですか!?

小山:よく言われます(笑)。「バラバラ」って本当に予算が少なくて、1人1人のマンパワーがめちゃめちゃ大変なので、最初に『あのちゃんねる』をやっていたときはそれだけでヘロヘロだったんですけど、ちょっとずつ慣れてきたというのはありますね。でも、20分の枠で毎週休みなくレギュラーを続けていくのは、すごく鍛えられてる感覚があります。だから、こだわっているところもありつつ、成立させなきゃいけないというところを今、学ばせてもらってますね。

木月:「バラバラ」は(1回の収録で)何本撮りなんですか?

小山:本当に笑えなくて、ホリケンさんはこの前6本撮りでした…。『イワクラと吉住』は、まだ2人がそこまで関係性が築けていないので、何回も会って距離が近づいてほしいと思って、3~4本撮りに抑えてます。

  • (左から)小山テリハ氏、木月洋介氏、大森時生氏

次回予告…~若手制作者編~<3> 各局で若手のチャンス増加、指標変化が背景に

●小山テリハ
2016年にテレビ朝日入社。『アメトーーク!』のADを務めながら『妄萌がーる。』『出川とWHYガール』などを企画。現在は『ホリケンのみんなともだち』『イワクラと吉住の番組』『ロンドンハーツ』『霜降りバラエティX』、『にゅーあのちゃんねる』(CS・テレ朝チャンネル1)などを担当する。

●大森時生
1995年生まれ、東京都出身。一橋大学卒業後、19年にテレビ東京入社。『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』を経て『ありえへん∞世界』でディレクターに。『RaikenNipponHair』で「テレ東若手映像グランプリ2022」優勝、その記念特番『島崎和歌子の悩みにカンパイ』のほか、『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』(BSテレ東)も手がける。

●木月洋介
1979年生まれ、神奈川県出身。東京大学卒業後、04年にフジテレビジョン入社。『笑っていいとも!』『ピカルの定理』『ヨルタモリ』『AKB48選抜総選挙』などを経て、現在は『新しいカギ』『痛快TV スカッとジャパン』『あしたの内村!!』『今夜はナゾトレ』『キスマイ超BUSAIKU!?』『ネタパレ』『久保みねヒャダこじらせナイト』『バチくるオードリー』などを担当する。