現在放送中のTBS系日曜劇場『マイファミリー』(毎週日曜21:00~)。物語も後半戦に突入し、連続誘拐事件の真相も急展開を迎えた。二宮和也演じる鳴沢温人の会社「ハルカナ・オンライン・ゲームズ」の社員・鈴間亜矢は第6話で実行犯として浮かび上がり、第7話でも温人に「相手を軽く見てはいけません。本当に実咲ちゃんは殺されます」と不気味に言い放つ。相当なインパクトを与えるシーンが続いた鈴間を演じているのが、日本舞踊家で三代目藤間紫を襲名した、藤間爽子(ふじまさわこ)だ。不安とうれしさが入り混じっているなかでの撮影だという藤間に話を聞いた。
鳴沢家、三輪家、そして阿久津家と連続して起きた誘拐事件。その実行犯の一人として、すでに視聴者に認識された鈴間。その存在はまだまだベールに包まれている部分が多いが、本作のオファーを受けたとき、藤間は「最初の段階で、誘拐をする役だということは聞いていましたが、詳細は知らされていなかった」という。
演じるうえで、怪しさを隠さなければいけない一方で「でもあまりに印象が残らないままでいると、いきなり感が出てしまう」とさじ加減は、監督と共にいろいろ相談したという。実際、藤間は「自分なりに鼻眼鏡にしたり、ちょっとふてくされてみたりと、どこか観てくださる方が引っかかってくれるキャラにしたかったんです」と回顧する。
第6話で誘拐犯の一人だとハッキリと顔が映った際は、大きな反響があったという。「ちょうど第6話のオンエアのときは撮影中だったので、リアルタイムでは観られてなったのですが、撮影が終わって戻って来たときには、携帯にすごい数の連絡があったので、驚きました」。
日曜劇場への出演が決まったとき、周囲へ告知をしたという藤間。しかし前半戦ではあまり出演シーンが多くなかったため「いつ出るの?」や「どんな役なの?」という質問が多かったという。「どう答えていいのか難しかったので、第6話の放送が終わったあとは、ホッとしましたね。なんかみんなを騙しているような気持ちだったので」と屈託ない笑顔で笑う。
■温かい雰囲気とプロフェッショナルな現場に感嘆
中盤戦になり、キーマンとなる役を演じることになった藤間。オファーを受けたときは「すごく嬉しかった」と語るが、一方で「とても豪華なキャストの方々がいるなか、私はまだ女優としてキャリアが浅いので、足を引っ張ってしまうではないかという不安もありました」と正直な胸の内を明かす。
うれしさと不安が同居するなかでのクランクインだったが、鈴間亜矢という役を脚本で読んでからは「文字で描かれている以上に魅力的な人間にしたいなという熱い思いがこみ上げてきました」と前向きに臨むことができた。
そんな藤間の思いを、現場のスタッフやキャストも温かく迎え入れてくれたという。「飯田(和孝)プロデューサーが温かいコメントをくださったり、緊張しているとカメラマンさんが『この前の反響どうだった?』と声を掛けてくださったり……。とても優しさに溢れた現場だったので、本当に楽しく撮影に臨めています」。
また映像の現場で感じることも多かった。「舞台は稽古をして、いろいろ試して本番に臨みますが、ドラマの撮影は現場に入ってみて、いろいろなことが決まることが多い。その都度、監督からの要望に柔軟に対応する瞬発力のようなものが求められるなと感じました」と違いを述べると「皆さん臨機応変に表現していく姿は、とてもプロフェッショナルだなと感じましたし、刺激的で見習うことがとても多かったです」と感嘆する。