■相棒役・伊野尾慧と山本舞香が作品に与える影響
――続いては相棒役のお2人についてお伺いします。村田光役の伊野尾慧さんは第3シリーズから3作連続出演されていますが、伊野尾さんが作品に与えている影響を教えてください。
伊野尾さんの天真爛漫な笑顔で、現場や画が明るくなりますよね。ずっと大きなボケをしているようなキャラクターですが、ミタゾノさんがリアクションを取らない分、伊野尾さんには大きめなリアクションを取ってもらっています。第3シリーズのときからキャラクターが出来上がっていたので、いつまで経っても成長しないキャラクターがまた作品のブレなさにもつながっていて、感謝しています。
――そして今作から山本舞香さん演じる本仮屋素子が新加入しましたが、素子のキャラクターはどのように出来上がりましたか。
山本さんのハッキリと物を言う凛とした姿から構想を得て、ドラマ的な要素としてヤンキーっぽさを加えて構成していきました。
――山本さんありきで素子が生まれたんですね。実際に演じている姿を見た感想を教えてください。
相棒役は、視聴者目線でゲストやミタゾノさんがやっているめちゃくちゃなことにツッコんだりリアクションを取ったりという重要な役目がありますが、強弱、緩急つけて見事に演じていただいているので、山本さんの存在のおかげで第5シリーズにしかないものが生まれていると思います。後半では、素子の秘密が少しずつ明かされていくので、楽しんでいただけたらうれしいです。
■作品を代表する時事ネタや家事情報
――時事ネタをユーモラスに反映している点も『ミタゾノ』の大きな魅力の1つですが、こだわりを教えてください。
世間で話題になったことや現代の風潮をミタゾノ流に斬っていくところがドラマの根幹になっていますが、説教くさくやろうとは一切思っていなくて、ただただ視聴者の方に一瞬でもクスリと笑っていただければと。感受性の強い方が「もしかしてあのことかな?」とうっすら感じていただければ幸いです。
――また、毎回役に立つ家事情報を教えてくれるのも『ミタゾノ』の魅力です。
第1シリーズから家事芸人の松橋周太呂さんに監修で入っていただいていて、こちらのほうはそろそろネタが尽きそうなのですが(笑)、視聴者にとって知って得する情報を入れたいということ、ミタゾノさんのキャラクターを描く上で家事スキルが凄いところは外せないこと、物語が大きく展開するきっかけになること、と家事情報はドラマ上で重要なアイテムになっているので、この先もずっと続けていきます。
――家事情報が伏線となることも多く、緻密な脚本にいつも驚かされます。脚本はさまざまな方が手掛けられているとのことですが。
第5シリーズでは、全8話を6人の脚本家にお願いしました。毎シーズン新しい方に入っていただくことで、マンネリしない新鮮さを届けられればと思っています。
■「おしえてミタゾノさん」は松岡自ら回答
――今回のシリーズのエンディングでは、ドラマ公式Twitterアカウントで募集した質問にミタゾノさんが回答する新企画「おしえてミタゾノさん」が始まりましたが、制作の裏話があれば教えてください。
これまでもダンスだったり、いろんなことをエンディングにしてきたのですが、今回は松岡さんと相談して「おしえてミタゾノさん」になりました。集まった質問の中から僕たちが20問くらいに絞り、撮影当日松岡さんに選んでいただいています。答えも松岡さんが考えているので、僕らも何を言うのか分からないんですよね。本番でようやく答えが聞けるので、僕らも「そう来たか!」と驚かされています。現場でも皆毎回楽しみにしています。
――最後に、第5シリーズ後半の見どころや、『ミタゾノ』シリーズの展望を教えてください。
第4話のタイムリープのように、今までにない新しい展開にどんどんチャレンジして、皆さんを驚かせるような発表ができればいいなと思っています。『ミタゾノ』シリーズとしては、1時間枠でかれこれ30本以上作ってきたので、何かこれまでと違う新しい形でもお届けできればうれしいのですが、基本的には、長く愛される作品になるよう続けていきたいです。第5シリーズとはいえ、1話完結で、今初めて見ていただいても楽しい時間を過ごせる作品になっているので、これまで見たことがない方も、まだまだ間に合います!(笑)
1986年生まれ、2009年テレビ朝日入社。『家政夫のミタゾノ』を第1シリーズから担当。近年のプロデュース作品に『警視庁・捜査一課長』シリーズ、『BG~身辺警護人~』『先生を消す方程式。』、『となりのチカラ』など。