松岡昌宏演じる、スーパー家政夫の“ミタゾノさん”こと三田園薫が、派遣された家庭の内情を覗き見し、そこに巣食う根深い汚れまでもスッキリと落としていく覗き見ヒューマンドラマシリーズ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系毎週金曜23:15~※一部地域除く)。

2016年にスタートした同作は、いかにして第5シリーズまで続く人気ドラマとなったのか。第1シリーズから『ミタゾノ』をプロデュースしているテレビ朝日の秋山貴人氏は、その理由を圧倒的に「松岡の魅力」に尽きると語る。『ミタゾノ』誕生の経緯やミタゾノさんを演じる松岡の体重管理や相棒役の伊野尾慧、山本舞香の印象、そしてSNSで反響を呼んでいるミニコーナー「おしえてミタゾノさん」について話を聞いた。

テレビ朝日系ドラマ『家政夫のミタゾノ』

テレビ朝日系ドラマ『家政夫のミタゾノ』

■ミタゾノさんの衣装は当初柄物を予定

――まずは『ミタゾノ』誕生の経緯を教えてください。

「女装した家政夫」のドラマをやってみたいという提案から始まり、ミタゾノさんという名前や、家庭の崩壊と再生を描くという物語、家事情報を絡めるという具体的な要素が少しずつ肉付けされていきました。

ミタゾノさんを魅力的なキャラクターに仕上げてくれたのは松岡さん。今やおなじみになっているミタゾノさんならではのダッシュも、こちらから具体的な指示をしたのではなく、松岡さんが現場でいきなりやったことに皆が腹を抱えて大爆笑して、採用となりました。台本に書かれていることを、アクション含めてミタゾノさんがどう表現するのかを皆がワクワクして見守っているライブ感の強い現場です。

――スカートの両端をつまんでダッシュする“ミタゾノ走り”は現場で松岡さんが生み出したものなんですね。ミタゾノさんは、クラシカルな衣装もトレードマークとなっています。

最初の衣装合わせには2時間くらいかかった記憶があります。最初は“おばちゃん”のような柄物の服を合わせていたのですが、どこか違和感があって。予定していなかったのですが、一度シンプルな白と黒にしてみるとその場にいた皆の意見が「これかも」と一致したんです。服装からヒントを得て、ピンとした背筋や手を前に組むというスタイルを松岡さんが作ってくれました。メイクもずっとご自身でされていて、最初は30分くらいかかっていましたけど、今は10分や15分でできるようです。

■超人的なミタゾノさんに説得力持たせる芝居

――そんな『ミタゾノ』ですが最初から長期シリーズ化を見据えていましたか。

考えていませんでした。1話完結型なので次々作れるなとは思っていましたけど、まさか本当に続くとは思っていなかったので……第1シリーズでミタゾノさんの過去を描きましたが、第2シリーズは一切ふれずに始まるという(笑)。

――(笑)。ミタゾノさんの過去や妹についての真相は、いつか明らかになるのでしょうか。

今のところ全く予定していません(笑)。もし何かしらのスペシャルな機会があれば少し触れるかもしれません。

――第5シリーズまで続くほどの愛される作品になったポイントをどう考えていますか。

もう圧倒的に「松岡さんの魅力」ですね。アニキと呼ばれる男らしいイメージのある松岡さんが女装して家政夫になるという意外性や、現場で突発的に生まれるアクション、こんな人いないだろうという超人的なミタゾノさんに説得力を持たせるお芝居、松岡さんの力がなければここまで続いていません。

――秋山さんから見て、松岡さんがミタゾノさんを演じるうえで大事にされていると感じる部分はありますか。

体重管理をされていますね。松岡さんの中でミタゾノさんの適正体重があるようで、他の作品よりもかなり体を絞って、さらにすね毛を剃ってクランクインされます(笑)。あとはミタゾノさんというキャラクターのブレなさ。相棒役やゲストに誰が来ても、ミタゾノさんがブレないから作品の世界観におさまるんです。松岡さんは“配慮”の方なので、共演者の方々が自由に演じやすい空気を作ってくれます。