日々、おいしくレベルアップしている日本ワイン。いま日本には200以上のワイナリーがありますが、「ワイナリー数日本一」を誇るのは、ワイン県やまなしです。

そう! ワイン好きなら山梨に来て、ワインに癒され、ワインにまみれてこそ。そこで今回は、ワインを楽しく深く味わえる、山梨の1泊2日プランをご紹介します。

  • ワイン県やまなしを飲み・食べ尽くす! ワイナリー巡りやカフェ&レストラン満喫する1泊2日モデルコース

ブドウ畑が眼下に広がるステキなお店でランチを楽しみ、夢の"蛇口ワイン"があるワイナリーでとろけ、絶景ワインバーのある温泉宿へチェックイン。翌日は、森の中のフレンチレストランでランチを味わい、オリジナルのワインラベル作り体験で思い出を残す、そんな幸せな休日はいかがでしょう?

【11:00】ブドウ畑を見下ろす「勝沼食堂 パパソロッテ」でランチ

  • 勝沼の高台に佇む「パパソロッテ」

旅のスタートは、日本を代表するワインの産地・甲州市勝沼町から。勝沼ぶどう郷駅から徒歩5分と近い「パパソロッテ」へ向かいます。

こちらは、1年中ブドウの木を見渡せる、甲府盆地を見下ろす高台にあるイタリアン。地元のワイン好きはもちろん、県外からもファンが訪れる人気店です。

  • 壁一面のサインには、ワイン愛がぎっしり

中は白を基調とした、明るい空間。お店の壁を見渡すと、ソムリエやワイン醸造家、有名人の直筆サインがいっぱい!

「ワイン造りは、あせらず、あわてず、あきらめず」 「パパソロがワインの聖地となる日を信じて、みんなで応援しよう」

そんな見る人をあったかい気持ちにさせてくれる、優しい言葉であふれています。

あの「ひぐちカッター!」で知られる、お笑い芸人の髭男爵 ひぐち君も、実は「パパソロッテ」のお客様。ワインエキスパートの資格を取得していて、「日本のワインを愛する会」副会長も務めるワイン通なのだとか。壁にはひぐち君のメッセージも書かれているので、探してみてくださいね。

  • 窓からの風景はプライスレス

おすすめはなんと言っても窓際のテーブル席。大きな窓からは南アルプスや甲府盆地、一面に広がるブドウ畑を眼下に眺められます。

筆者が訪れたのは、ブドウの木を剪定(せんてい)する時期。ブドウの木はつるんとしていましたが、3~4月になると葉が生え始め、初夏になると丘一面が緑色の絨毯に。そして9月~10月にかけては、ブドウがたわわに実ります。

  • イラスト付きでオーナーを紹介

絶景もさることながら、ワイン好きがこのお店に集う理由は、日本一のワインアドバイザーがいるから。オーナーは「全日本ワインアドバイザー全国選手権大会」で優勝した経歴を持つ、長谷部賢さん。

そんな長谷部さんがセレクトするこだわりのワインを飲めるとあって、全国からワイン好きが訪れます。

  • お値打ちに楽しめる、ランチのグラスワイン

ランチタイムのワインは、「本日のグラスワイン」を選ぶといいでしょう。グラスワインは赤、白ともに山梨県産。1杯1,000円以下で、ワインのレベルも高い! 一期一会の出会いを楽しめますよ。

  • ハーフパスタとメインがあるコース料理「Bランチ」(3,300円)

ワインを楽しみつつ、日常から離れてゆったり食事を味わうなら、コース料理の「Bランチ」がおすすめ。

「Bランチ」は前菜、パン、選べるハーフサイズのパスタ、メインのお肉料理、食後のドリンクまでついた大満足のラインナップ。どれもシェフのセンスが光る逸品ばかりです。

  • 「甲斐まいたけのクリームスパゲティ」

できるだけ山梨の旬の食材を使うのが、このお店のモットー。食材の約7割は山梨のものを使用して、丁寧に仕上げています。

この日の選べるパスタの一つ、甲斐・大和村で作られた「まいたけのクリームスパゲティ」は、まいたけならではの濃厚な旨みがじわりじわり。にんにくや自家製のベーコンが食欲をそそり、最後のひと口まで、口の中が幸せいっぱいになります。

  • ほがらかなお人柄の坂口シェフ

魔法のようにおいしい料理を作るのは、食べるのも作るのも大好きという坂口シェフ。自らソムリエの資格も持つ、ワインのプロでもあります。

ソムリエ資格を持つシェフならではの「こだわり抜いたお料理」と「互いに引き立て合うワイン」のペアリングをぜひ、楽しんでみて。

【13:00】美肌の湯を楽しめる春日居温泉へ

  • 桃とブドウが描かれた春日居温泉郷の看板

ランチの後は、笛吹市にある春日居温泉へ。ここは山梨のメジャーな温泉地・石和温泉からも近く、ワイナリーも点在するワイン好きにおすすめの温泉地です。

  • 温泉とリゾートホテルのくつろぎを同時に味わえる「ホテル春日居」

今回の宿は温泉もワインも、どちらも楽しめる「ホテル春日居」。山梨ワインを取りそろえた絶景ワインバー、美肌の湯、薬石岩盤浴、プールまで完備している山梨にありそうでないお宿です。

チェックインは15時。まだ早いので荷物をフロントに預けたら、ここから歩いて行けるワイナリーへ出発。さあ、幸せなほろ酔いタイムのスタートです!

【13:30】「マルス山梨ワイナリー」で5種類のワインを自由に試飲

  • オリジナルワインや山梨の特産品が充実しているショップ

ホテルからのんびりお散歩気分で歩くこと約15分。観光バスも停められる大きな駐車場を備えた「マルス山梨ワイナリー」に到着です。

ワイナリーという名前がついていますが、運営しているのは「薩摩焼酎」で知られる鹿児島の老舗「本坊酒造」。洋酒の拠点として1960年、ここ山梨に創業しました。ワインで使うブドウは自社農園のほかに、気候のいい穂坂地区の契約畑で育ったブドウなどを厳選。老舗焼酎メーカーが本気で作る、上質なワインがそろいます。

ショップには、オリジナルのワインや山梨の特産品がずらり! ワイナリー限定の「甲州スイートセレクション」は、ふらっと立ち寄った人に人気の甘口ワイン。また珍しいものを探している人なら、甕(かめ)仕込みの「ヴィンテージワイン」がおすすめです。

  • この日の試飲用ワインは、白ワインが3種類、赤が1種類、ロゼが1種類

おいしそうなワインを見ていたら、もうガマンできません!

ショップ内を探索していると……、ありました、ありました。壁に埋め込まれた樽がずらっと並ぶ試飲コーナーが! 樽には蛇口があって、ひねるとワインが出てくる仕組みになっています。

試飲できるのは、ワイン5種類とジュース1種類。時間も決まっておらず、心ゆくまでワインを試飲できます。

山梨ワインは満足感があるのにどっしりしすぎず、スルスルと何杯でもイケそうなおいしさ。好きなタイミングで蛇口をひねって、止めてを繰り返し、蛇口からワインが出る幸せを体験してみてくださいね。

  • 年代ごとに並べられたワインの龜(かめ)

「マルス山梨ワイナリー」には、自由に見学できる醸造施設もあります。実はショップにあったヴィンテージワインも、醸造施設の地下セラーで作られたもの。ここで生まれた年のワインを探してみるのも、通な楽しみ方ですよ。

※感染症拡大防止策により、見学を休止している場合があります。詳しくは施設にお問い合わせください。

【15:00】ワイン好きの贅沢ステイを叶えるリゾートホテルへ

  • 8Fフロアの「TATAMIツイン」

ほくほくの笑顔のままワイナリーを出て、「ホテル春日居」へ戻ります。

このホテルは、客室にいながらワインの世界に浸れるのもおすすめのポイント。山梨の伝統工芸品×ブドウを詰め込んだ、モダンな「和洋室」が人気を集めています。

  • かけ流しの湯を楽しめる露天風呂

お部屋でくつろいだら、今度は春日居温泉を楽しむ番!

美肌の湯は山梨にいくつもありますが、ここの温泉はpH値が9.6と高く、山梨県内ではトップクラス。とろりと優しい湯にぼ~っと身を委ねるのが、たまらなく幸せです。

  • 山梨ワインと日本料理のペアリングを味わう

ワインを楽しむホテルステイには、おいしいワインが重要なポイント。館内には中華料理と日本料理のお店がありますが、どちらもワインとのペアリングが楽しめます。

今夜、夢の世界へ導いてくれるのは、日本料理のお店。甲州ワインビーフや富士桜ポーク、幻のお米と言われる武川米など、山梨の食材をふんだんに取り入れたお料理は、ひとつひとつ丁寧に作られていて美しい!

お料理に合わせて出される山梨ワインは、同じブドウでもワイナリーごとに味わいも香りも違っていて個性豊か。お料理をパクッ、ワインをゴクリ……。ワインとお料理の相乗効果でおいしさもひとしおです。

  • 夜景のきれいなワインバー「Italian」

さらにワイン欲を満たすべく向かったのは、最上階にあるワインバー。ここでは、1Fのレストランとはまた違う12種類の山梨ワインを楽しめます。しかも、6種類のワインをテイスティングできるセットが1,100円と、お値段もリーズナブル。肩肘張らずゆるっと山梨ワインを味わえます。