――TVシリーズでも、充瑠自身は役柄的に激しいアクションは少ない印象でしたね。
小宮:そうですね。避ける、さばくことのほうが多いです。『キラメイジャー』自体も、『リュウソウジャー』など、ほかのスーパー戦隊に比べてアクションは少なめだったのかもしれません。僕自身は、体を動かすのが好きなのでアクションがあると積極的に取り組んでいました。坂本浩一監督の組ではアクションが多いので、いろんなやり方を教えていただいたりしていました。もっともっといろんなアクションに挑戦してみたかったですね。
――共演してみて、それぞれのキャラクターはどのように思われましたか?
駒木根:充瑠は本編が放送されていた時も「限界は超えないためにある」と言い切ってしまったことにびっくりして、ヒーローがこんなことをいっていいんだと衝撃を受けたキャラクターでした。映画では、たびたび充瑠のひらめキーング!から介人がヒントを得て答えに近づいていく流れもあり、二人の個性がうまくかみ合って、スーパー戦隊の「仲間と力を合わせて戦う」というテーマが体現されているなと感じました。
小宮:充瑠は昔から「縁の下の力持ち」で、変わらずそうであってくれたことに安心しました。一番年下で、力は強くないけれども、すごく周りが見えている。だからこそ核心を突くようなことをたまにいうんですよね。だからこそ、周りも支えたくなるようなキャラクターで、いままでのイメージとは違うリーダーになったんじゃないかと思っています。
――卒業から1年が経ち、どのようなことを感じましたか?
小宮:ほかの撮影の現場で、「子どもと見てたよ」と声をかけていただくことが多くて、それがとてもうれしいんです。SNSでも、ドラマ出演などが決まると、「充瑠が出るんだ」という声が上がっているのを見ると、みんなの心の中にまだ『キラメイジャー』と熱田充瑠がいることを感じて、すごくうれしくなります。『キラメイジャー』は世界がすごく大変な時期に始まった戦隊でした。電車や海賊や恐竜といったわかりやすいモチーフとは違う、「キラメキ」というテーマでどうやって作品を作り上げていけばいいのか、最初は悩んだ時期もありました。でも、諦めずキラメこうとする気持ちを持ち続ければ、希望が見えてくる。そんな『キラメイジャー』のメッセージに、最終的には僕自身も励まされるようになりました。
――そういえば、先日増子敦貴さんにインタビューした際に、Gロッソでの駒木根さんのアドリブが怖い、いやすごいとおっしゃっていました。頭の回転が速くて、収集がつかなくなりそうになってもうまくまとめてくれると。
駒木根:それはお互い様なんですよ(笑)。もともと、みんなでワチャワチャするシーンとカーテンコールのやりとりは、アドリブでいこうと決めていたんです。あっちゃんなんて、好きなようにやって、スベったかなと思ったら僕のほうを見てくるんですから。最初のうちはうまくまとめなきゃと思っていましたけど、途中からはもう放っておくようになりました(笑)。
――増子さん、ステイシー役の世古口凌さんは舞台経験がありますが、初舞台の駒木根さんの対応力の高さに増子さんも舌を巻いていました。
駒木根:舞台経験はなかったんですけど、ファッションショーやイベントなどの壇上で話す機会は多かったんです。そうやって拙いながらも自分の思いを言葉にしてきた経験が、自分の強みの一つだと思っていたので、そういってもらえるとうれしいですね。
小宮:僕は、Gロッソで行われた『ゼンカイジャー』ショーシリーズ第4弾を見に行ったんです。いつもは出る側だったので、初めて客席から見たのですが、本当に最初から最後まで感動しかありませんでした。ヒーローがそこにいるんです。小さいころ憧れていたヒーローが目の前にいることに、19歳の自分ですらこんなに感動しましたから、子どもたちはどれだけうれしいんだろうと。自分たちが公演する前に、客席から見る経験をしていなかったことを後悔しました。客席の気持ちを知っていたら、もっとやれたことがあったんじゃないかって。だから、今後これから公演をするヒーローのみなさんには、ぜひ一度客席から見てほしいです。そう思わせてくれたのは、この『ゼンカイジャー』第4弾公演が素晴らしかったということも大きいです。久しぶりにこんなにいい作品を見たなと思いました。
駒木根:うれしい! 会ったときにいってくれたらいいのに(笑)。Gロッソが終わって、数週間みんなと会っていないときに、この『ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』を一人でデータで見たんです。そうしたら、あっちゃんや凌くん、日菜ちゃん(森日菜美)たちみんなに会いたくなっちゃって。一番一緒にいることが多かったあっちゃんに「映画を見たら、みんなに会いたくなっちゃったよ」と連絡したら、「きいちゃん、飲みにいこう!」とすぐに返信がきました。
――『キラメイジャー』の時も作品を通してキャストのみなさんが明るくなった印象でしたが、『ゼンカイジャー』のみなさんもすごく変わりましたよね。
駒木根:そうなんですよ! 特に変わったのを感じたのは凌くんでした。元々明るかったのですが、Gロッソ公演のステージ裏で今日のやりとりに悩んでいたりすると、「みんなまだ殻を破ってないんじゃない?」とかいいだして、とても思い切ったことをやりだすんです。作品を終えて、まさに殻を破ったみたいでした。あっちゃんも最初はすごく人見知りだったのに、今回の映画の撮影では自分から『キラメイジャー』のみなさんに話しかけていました。
小宮:そうだったんですね……。「『スマブラ』なら絶対に負けない!」と話しかけてきてくれたので、すごく気さくな人なんだと思ってました。返り討ちにしましたけど(笑)。
――最後に、改めて作品の見どころを教えてください。
小宮:『ゼンカイジャー』がいることで、たくさんの先輩戦士たちが登場してきてくれています。それぞれに夢中になったスーパー戦隊の姿を見ることができると思うので、ぜひ楽しみにしてほしいです。ヒーローのかっこいいところを見てほしいですね。
駒木根:僕ら自身はほかのスーパー戦隊の方と撮影するのは初めてだったので、そこも注目していただきたいですね。劇中では、焼肉のシーンが僕らとしてはほとんどなのですが、それで成立してしまうのが『ゼンカイジャー』と『キラメイジャー』のよさなんじゃないかとも思うんです。ほかにはない2戦隊ならではの色が出ているので、楽しんでいただきたいです。
Vシネクスト『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』は、4月29日より全国劇場にて期間限定上映。9月28日にはブルーレイ&DVDが発売される。