■芝居で気づいたことはすべてメモ

――今回の経験で、AKB48にどんなものを持って帰りたいですか。

演技について気がついたことをメモしているので、今後の自分や、AKB48で舞台に立つ機会に活かしてきたいです。

――どんなメモを取りましたか。

(スマホを見ながら)、話す“間”の重要さだったり、リハーサルへの臨み方だったり……奥野さんには「撮影のときは、相手の目ではなくカメラ側の目を意識するといいよ」など細かい演技指導をして頂いたり、水沢さんは瞬時にアドリブをたくさん出していて、頭の回転の速さと引き出しの多さに驚かされましたね。

――ちゃんとメモに取って自分の糧にしていて……努力家ですね。

やったぁ!(笑)

■昨年収穫だったのは「AKB48愛と悔しい気持ち」

――最後にグループについてもお伺いさせてください。昨年末のレコード大賞の日の小栗さんのTwitterでは「AKB愛と悔しい気持ちが、AKBにとって大きな収穫だった」と投稿されていました。「根も葉もRumor」をきっかけにグループが新たな飛躍を見せましたが、あの投稿にどんな思いが込められていたかお伺いしてもいいですか。

先輩の作ってきたものを壊さないように、でも今のAKB48も好きになってもらえるようにという思いで活動してきましたが、なかなかうまくいきませんでした。以前のAKB48をいい意味でどう壊していくかはずっと課題で、メンバー皆でたくさん悩んだり話し合ったりしていたときに、ゆきりんさん(柏木由紀)が「1人ひとりの知名度を上げることが大事なんじゃないかな」と言ってくれたんです。そこで皆が「私たちが今やるべきことは、自分を強くすることだ」と知って、私も昨年からゼストに所属を変えたことで新たに個人として出発しようと決めました。

――所属の変更にはそんな背景があったんですね。

個人として強くなろうと決意すると同時に、グループとしては「根も葉もRumor」をきっかけに「皆で頑張ろう」という団結力がさらに強くなりました。私たちはたくさん話し合っていて、先輩後輩、年齢関係なく何でも言い合える仲。AKB48ってすごく素敵だなと改めて思いました。

――素敵な関係性ですね。「悔しい気持ち」については。

今までは先輩方についていくという感覚だったので、過去にレコード大賞を受賞できなかったときも、「本当の悔しさ」は、正直私には感じられてないんじゃないかと思っていました。でも昨年は今のメンバーが本気で頑張ったからこそ、レコード大賞を受賞できなかったり、紅白歌合戦に出られなかったりしたときに「悔しい」と心から感じることができました。「本当の悔しさ」を知ることがきたのも、皆で頑張ったからこそだし、AKB48が好きだからこそ。「AKB48愛」と「悔しい気持ち」を大切に、次の新曲も皆で頑張っていこうといま走り出しています。

――5月18日リリースの新曲「元カレです」も、パワフルなダンスが見どころの楽曲になっていますね。

前回ちょっと注目していただいた分、さらにいいものを作らないとというプレッシャーは感じていますが、前回とはまた違う難しさのダンスに挑戦しています。新たなAKB48を見せていきたいですし、今のAKB48の魅力をもっともっと知ってもらえるように、皆で努力を重ねて頑張っていきます!

■小栗有以
2001年12月26日生まれ、東京都出身。2014年にAKB48チーム8のメンバーとしてアイドル活動をスタートさせる。2018年5月発売の「Teacher Teacher」で初めてシングル表題曲のセンターを務める。同年7月スタートの『マジムリ学園』でドラマ初主演、舞台版でもダブル主演を飾った。2021年4月にフジテレビ系『めざましテレビ』のイマドキガールにグループで初めて起用される。2022年1月18日に1st写真集『君と出逢った日から』を発売。