顔だけは良いのに中身が残念な高校2年生の仲良し4人組が立ち上げた無形文化遺産代行保存部・通称“ムダ部”が織りなすラブコメディ『恋に無駄口』(ABC毎週日曜23:55~、テレビ朝日毎週土曜26:30~※TELASAで全話見逃し配信中)が現在放送されている。AKB48の小栗有以が演じるのは、主人公の仁科(奥野壮)と恋模様を繰り広げるヒロイン・叶依麻。漫画を描くことに情熱を注ぎ、それ以外には一切興味がないというちょっぴり不器用な漫画部部員だ。

グループ単位ではない連続ドラマの出演、そしてヒロイン役は今回が初となる小栗。現場で受けたアドバイスはすべてスマホにメモを取るなど努力を欠かさない小栗だが、所属をゼストに変えたこと、女優業へのチャレンジには柏木由紀の言葉があったという。ヒロイン役へ抱いていた憧れや撮影の裏話、そして昨年感じた「AKB48愛」と「悔しい気持ち」について話を聞いた。

  • AKB48の小栗有以 撮影:泉山美代子

    AKB48の小栗有以 撮影:泉山美代子

■少女漫画や学園ドラマのヒロイン役への憧れ

――『マジムリ学園』では主演を務めていた小栗さんですが、グループ単位ではない連ドラには初出演。改めてこのお仕事が決まったときの気持ちを教えてください。

『マジムリ学園』で演技の楽しさを知ってまたやりたいと思っていました。そしてグループに加入する前から、恋愛ドラマや学園ドラマ、少女漫画を見てヒロインの女の子に「かわいいな、女の子の理想だな」と憧れを抱いていたので、演技のお仕事ができることも、ヒロイン役を演じられることもすごくうれしかったです。

――特に好きだった作品はありますか。

恋……恋がついたような……恋に無駄口じゃなくて(笑)、……分かりますか?(周囲のスタッフに聞く)

――「恋」だけで絞るのはなかなか難易度が高いです(笑)。

君に会えたこと~♪という曲の……『君に届け』です!

――「恋」は入っていませんでしたね(笑)。今回演じるヒロインの叶依麻は「自分と似ている部分がたくさんある」とのことですが、どんな部分が似ていますか。

依麻は「ありがとうが言える」、「食べ物を大事にする」というキャラクター。私も食べ物を大事にしますし、「好きな言葉は『ありがとう』」だとずっと言って来たので、一緒だ! とうれしくなりました。原作漫画で描かれている依麻の表情や、台本の台詞にも、「私もこう言われたら、こんな気持ちになるな」と細かい部分で共感できるところが多くて演じやすいです。きっとドラマを見てくれる女の子にも共感してもらえるはず。依麻になりきって作品に入り込んでほしいですね。

■共演者が踊ってくれた「根も葉もRumor」

――現場では、“ムダ部”のメンバーがAKB48の「根も葉もRumor」を踊ってくれたと聞きましたが、どんな状況だったんでしょうか。

「根も葉もRumor」が楽屋でかかっていて、「どうしてかかってるの?」と聞いたら、「今好きな曲なんだ」「ハマってるんだ」と言ってくれて、サビのダンスを踊ってくれて……今のAKB48の曲をここまで知ってくれているということがすごくうれしかったです。この曲はロックダンスが特徴なのですが、水沢(林太郎)さんがロックダンス経験者だったみたいで、皆に教えてくれて。私やメンバーはかなりの時間をかけて習得したのですが、奥野(壮)さんは初めてのロックダンスだったのに、すぐに習得していてめちゃくちゃ上手で、ポテンシャルの高さにびっくりしました! 小西(詠斗)さんも踊ってくれましたし、藤岡(真威人)さんも歌ってくれました。

――今のAKB48の曲というのが、またうれしいですね。

うれしいですね……。だから私もAKB48のポーズやエイトポーズを教えて一緒にやってもらったり、AKB48の魅力を伝えたり、よりグループを知ってもらえるようにと、ついアピールしてしまいました。

――現場でもAKB48を広める活動を頑張っているんですね。差し入れでは、藤岡弘、さんのコーヒーもいただいたとか。

おいしかったです! 藤岡さんのお父様が、お手紙と一緒に今川焼とコーヒーを差し入れしてくださって。今川焼は藤岡さんたちがよく食べているものらしいのですが、それもおいしかったですし、コーヒーも皆が喜んですぐなくなっちゃいます。毎回のように現場に差し入れしてくださって、現場が寒いので温まりますし、そのお気遣いに心も温まっています。

■ツインテールは「ちょっと恥ずかしい(笑)」

――小栗さんの髪の長さは現在ボブくらいですが、今日はウィッグを使って高めのツインテール。今作では、依麻の髪型の変化も見どころとなっています。

私自身もいろいろなアレンジに挑戦できて楽しいですし、皆さんにも依麻の髪型の変化を楽しんでもらえれば。髪を切ってからツインテールをしていなくてファンの方から「またやってほしい」というお声をいただいていたので、久しぶりの高めツインテールにも、ぜひ注目してほしいです。ちょっと恥ずかしいですが(笑)。

――今回のお仕事で、演技について気持ちの変化はありましたか。

こういったドラマ自体も、ヒロイン役も、男の子と高校生として話す演技もすべてが初めて。ナチュラルさを意識するのは難しかったですが、いろんな作品を見返して勉強したり、キャストの皆さんに支えて引っ張ってもらいながらいろんなものを吸収することができました。まわりの皆のおかげで依麻になれているので、素敵なチームワークに感謝しています。

――グループ活動とはまた違う経験を得られそうですね。

これまで女優さんや俳優さんと関わる機会が少なかったこともあり、何気ない話をしている中でも「同じ世代でもこんなに考えていることが違うんだ」と新鮮でした。刺激をくれる皆さんと演技への気持ちを共有することで、私の思いも高まって、より演技することが好きになりました。