猿渡役について桐谷は「つかみどころがない役」と表現したが、演じるうえで難しさはなかったのだろうか。「今回、撮影に入る前に、自分のなかでふっと猿渡になれた気がして。その時、何かを見つけた感覚があったから、そこからはもう委ねてやっている感じです」と言うが、そのきっかけについて聞くと「きっかけというよりは、自分自身が心静かにして、猿渡に聞いてみたという感覚でしょうか」と独自の言い回しをする。

役へのアプローチ方法は毎回異なるそうだ。「全部、違います。パッと出てくるキャラクターもあれば、こういうしゃべり方をしたほうがいいなと思うキャラクターもあるので、いろいろです。猿渡に限っていえば、ちょっと静かにする時間を作り、見つけられた感覚です。その時に役を演じるうえでのペースみたいなものがつかめたというか。それが見つからなかったら、ちょっと難しかったのではないかと思います」

まだ、撮影は途中段階だが、このドラマに出演したことで得られたものはあるのか尋ねると、「気づきというか、もともと自分自身が思っていることでもありますが、やはり人間というのは、やりたいことしかやらないし、信じていることしか見ないんじゃないかなと。このあと、ドラマが進んでいくと、今の俺の言葉をきっと思い出していただけると思います」と意味深な言葉を口にした。

最後に視聴者に向けて「正義と悪についての価値観という話もありますが、やはりオリジナル作品なので、予断を許さない刑事ドラマを、週末前の金曜の夜に楽しんでいただきたい。次はどうなるのだろうと、少しでもワクワクドキドキしてもらえたらうれしいです」とメッセージを送った。

■桐谷健太
1980年2月4日生まれ、大阪府出身。2002年のテレビドラマ『九龍で会いましょう』でデビュー。2007年のテレビドラマ『ROOKIES』(08)の平塚平役で知名度を高める。主な出演作として、映画『クローズZERO』シリーズ(07、09)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16)、『火花』(17)、『ビジランテ』(17)、『ミラクルシティコザ』(22)など、ドラマは『4分間のマリーゴールド』(19)、『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』(20)、『俺の家の話』(21)などがある。

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