■過去にはLINEを知らない人に回されたことも
――先程、これまでの学生生活では人間関係がうまくいかなかったと仰っていましたが、やはり芸能生活をしてることは友人関係を築く上でネックに……?
なります。その壁を自分から壊すのは面倒な作業で、何もしていなくても「プライドの高い人」とレッテルを張られてしまったり、話しかけづらい、怖い、という印象を与えてしまうみたいで……クラスメイトなのに「山口まゆさん」とよそよそしく呼ばれたり。初めましての場でも、距離が縮まるまで時間がかかってしまって、向こうから私に積極的に話しかけてくれることはほぼないんですよね。
――「話しかけちゃいけないんじゃないか」と、良くも悪くも気を使ってしまうのかもしれません。
大学では、まず私が心を開くことで、皆も開いてくれるんだと気付きました。これまでは、持ち上げられすぎちゃったこともあって、どうしたらいいか分からなくて。
――「芸能人だもんね」「テレビ出てるもんね」といったような。
そうなんです。あと、自分の価値を上げるために、誰かにマウントを取るために私と仲良くしたいのかな、と感じてしまう子もいたので、疑心暗鬼になってしまって。LINEのアカウントを知らない人に回されたこともありました。人間不信というと大げさかもしれないけど、芸能活動をしている子は皆、こういう悩みを抱えていると思います。
■作品制作の場で重宝される女優に
――つらかったですね。皆まだ考えも幼い中だったでしょうし……大学で素敵な友人ができて本当に良かったです。4年生といえば、卒業制作もありますよね。
卒業制作は4年間で一番大変なイベントなので、皆で力を合わせて頑張りたいですね。卒業できるように(笑)。
――卒業制作でも映画を作るんですか。
6組くらいのチームが作られて、監督からオファーをいただければ出演できるというちょっとシビアな世界です。私は女優として監督に「呼んで下さい」とお願いする立場。制作したものを先生に審査してもらってOKが出れば卒業できるのですが、審査もなかなか厳しいと聞いているので苦労しそうです。
――お仕事との両立も大変なのでは。
中学生の頃からずっと学業と仕事を両立させてきたので、二足のわらじではないですが、仕事以外に頑張る場所があるほうがバランスが取れます。卒業しても何かの勉強をしたり、並行して頑張れるものを見つけたいなと思っています。スケジュールの調整は大変なので、事務所の方にもサポートしてもらいながら頑張りたいです。
――最後に、今後の目標を教えてください。
私は「女優」に憧れたわけではなく、「芝居」が好きでこの世界に飛び込みました。大学での学びを経て改めて作品制作の楽しさを実感したので、これからもいい監督に出会って、いいスタッフたちと力を合わせて、いい作品を作っていきたい。制作の場で重宝されるような女優になることが目標です。
2000年11月20日生まれ、東京都出身。2011年、『真夏の夜の夢〜LOVE2011』で初の舞台出演を果たし、子役として活動。2014年より本格的に芸能活動を開始し、2014年、『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』でドラマ初出演。2015年、ドラマ『アイムホーム』で木村拓哉演じる主人公の義理の娘役に起用され、同年、ドラマ『コウノドリ』で中学2年生の妊婦役を演じて話題に。代表作に、ドラマ『明日の約束』、『海と空と蓮と』、『シジュウカラ』、映画『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』、『下忍 赤い影』、『樹海村』、『軍艦少年』、『真夜中乙女戦争』など。現在『未来への10カウント』放送中。ショートムービー『それはただの終わり』は池袋シネマ・ロサ にて4月23〜29日に1週間限定公開。