現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『未来への10カウント』(毎週木曜21:00~)で、明るく元気な新聞部部員の高校生・矢代智香を演じている女優の山口まゆ。しかし、自身の高校生活では友人関係に苦労したという。ドラマ『アイムホーム』で木村拓哉演じる主人公の娘役に起用され、同年、ドラマ『コウノドリ』では中学2年生の妊婦役を熱演。当時14歳だった山口は、現在大学の映画学科で芝居を学んでいる。

そんな山口にとって大学では最も大きかった学びは“人間関係の大切さ”。今回は芸能活動と並行して通った学校での苦悩、壁を乗り越え友達という財産を得た山口の素顔に迫る。

  • 女優の山口まゆ 撮影:宮田浩史

    女優の山口まゆ 撮影:宮田浩史

■これまでの学生生活では友達がなかなかできず

――女優として活動するかたわら大学にも通っている山口さんですが、とうとうこの春から4年生。所属する「映画学科」ではどんなことを学びましたか。

私は芝居を学ぶコースに所属していますが、学生だけで集まってショートムービーを作ったりと、他の学科の授業も受けながらいろんな分野を学んでいます。

――大学ではどんな出会いがありましたか。

個性豊かな学生とたくさん出会えました。同級生の中には、役者や監督、脚本のお仕事をしながら大学に通っている子もいるので、いつか一緒にお仕事できたらいいね、と言い合える子と出会えたのはうれしかったです。

――同級生との出会いで、自分が変わった部分を教えてください。

これまでの学生生活では友達がなかなかできませんでした。「芸能活動をしているから」と距離を置かれてしまうことが多く、私も心を閉ざしてしまって皆に馴染めなかったんです。大学も最初はその延長でしたが、同級生と一緒に映画を作ることになり、自分についてきてくれる人を見つけることの大変さを痛感しました。そもそもどうやって友達を作ればいいかが分からない。頑張って皆に声をかけたり、明るく接してみたりしたのですが、最初は「人に興味ないよね」と言われてなかなかうまくいかず……自分の思いを伝えるのが苦手なのかもしれないと気付き、一緒に映画を作ってくれた子たちに手紙を書いたりと試行錯誤しながらやっと友達ができました。

■仕事での人間関係とは違う、友達の難しさ

――映画制作は、山口さんとお友達2人でスタートしたんですか。

カメラマンの子と2人で企画案を考えて、そこから監督や撮影を担当してくれる子を探して、最終的には10人以上が集まりました。授業やゼミの一貫ではなく、春休みを活用した自主的な取り組みで。

――参加する側が、単位やお金をもらえるわけではないんですね。

そうなんです! ボランティアのようなものなので、協力してくれる人を探すのは本当に大変でした。一緒に始めたカメラマンの子の顔が広かったのでたくさん人を集めてくれて、私も関係を作っていくことができたのですが……。大学に来てやっと人間関係の大事さに気付くことができて、本当に良かった。このままだと誰からも信頼されず、誰にも助けてもらえない1人ぼっちの人生になっていたかもしれません。

――長くお仕事をされているので、きっと信頼できる大人の方はたくさんいらっしゃると思うのですが、そういう場とは別にやはり友達という存在やコミュニティは大事だと感じますか。

小さい頃から仕事をしていたので、そういった場でのコミュニケーションは苦手ではないんです。だからこそ友達という、損得ではない純粋な人間関係の難しさを実感しました。皆同じ夢を持つ仲間だから親近感も湧きますし、一生懸命頑張る姿を見て励みになる。かけがえのない友人がたくさんできたことが、大学生活で一番の宝物です。