ここからは性能チェックに移りたいと思う。本機には、動作モードとして性能を絞って動作音を静かにする「サイレント」、標準的な設定の「パフォーマンス」、オーバークロック動作でエンコードなど負荷の高い処理速度をアップする「Turbo」が用意されている。今回はすべて「Turbo」設定で実行した。まずは定番のベンチマークを見ておこう。

  • PCMark 10の結果

  • 3DMarkのDirectX 11ベースのテスト「Fire Strike」の結果

  • 3DMarkのDirectX 12ベースのテスト「Time Spy」の結果

  • CINEBENCH R23結果

  • CrystalDiskMark 8.0.4aの結果

注目はCINEBENCH R23のスコアだ。この結果は、デスクトップ版のRyzen 7 5800X(8コア16スレッド)での結果に近い。ノートPCでこれだけ出せるのは、さすが最新アーキテクチャのZen3+と言ったところだろう。

本番の実ゲーム10本を実行していこう。基本ゲームの画質は最高に設定。解像度は1,920×1,200ドットと2,560×1,600ドットの2種類で測定している。使用したタイトルとテスト方法は以下の通りだ。

  • レインボーシックス シージ(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
  • レインボーシックス エクストラクション(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
  • Apex Legends(トレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測)
  • Forza Horizon 5(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
  • アサシンクリード ヴァルハラ(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
  • ファークライ6(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
  • Ghostwire:Tokyo(マップ内の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定)
  • ダイイングライト2 ステイヒューマン(バザール周辺の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定)
  • サイバーパンク2077(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
  • エルデンリング(リムグレイブ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定)

レインボーシックス シージやApex Legendsなど比較的軽めのゲームならば、2,560×1,600ドットでも120Hzのリフレッシュレートを活かせるだけのフレームレートを出せる。注目はレインボーシックス エクストラクション、アサシンクリード ヴァルハラなど重めのゲームでも2,560×1,600ドットで快適なプレイの目安である平均60fps以上を出せること。薄型で高性能なゲーミングノートを設計できるとするRadeon RX 6800Sの実力の高さが見える部分だ。

Ghostwire:Tokyo、ダイイングライト2 ステイヒューマン、サイバーパンク2077の重量級ゲームはレイトレーシングをオフの状態ならば、最高画質でも1,920×1,200ドットならば、平均60fps以上を出せるが、レイトレーシングを有効にすると描画負荷を軽減するアップスケーラーのFSRを有効にしても平均60fpsを下回る。Radeon RX 6000シリーズのウィークポイントであるレイトレーシング性能の低さが出ている部分だ。重量級ゲームを快適に遊べるだけの性能を持っている。ただし、レイトレーシングがオフなら……と言える結果だ。

なお、エルデンリングは解像度に関係なく最大60fpsまで。1,920×1,200ドットなら、ほぼ平均60fpsに到達、2,560×1,600ドットでも平均52.5fpsで最小(1%)も34.7fpsと大きく落ち込んでいないことから、十分プレイできる。

最後に、重量級ゲームを快適に遊べるだけの性能を最薄部19.5mm、1.72kgという十分持ち運べるサイズと軽さに収めているのが素晴らしい。高い性能を持っているだけに、学業やテレワーク用にもよいだろう。見た目もスマートで場所を問わず使いやすいのもよいところ。ゴツくない高性能なゲーミングPCを求めているなら、ぜひともチェックしておきたい1台だ。