――お笑い芸人さんにとっての冠番組は、名刺のようなものでもあり、セットでもあり、一蓮托生といえる一面もあると思います。「お笑い芸人さんの冠番組」で一番に思い浮かぶものを教えてください。

屋敷:僕はロンブー(ロンドンブーツ1号2号)さんの『ぷらちなロンドンブーツ』。若手芸人だったお2人がドキドキするようなことに挑戦していて、どこかオシャレで。あんな番組をやりたいなとずっと思っていました。

嶋佐:僕は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』がめちゃくちゃ好きで、毎週何をするのか楽しみに見ていました。未だに新しい個性的な企画をやっているところも素敵ですし、ガキ使の“ファミリー感”にもあこがれますね。『伝説の一日』の漫才では、ガキ使のフリートークを思い出してエモい気持ちになりました。

屋敷:……よく考えたらフリートークってヤバいな。自分の番組で30分フリートークを届けるって。衝撃ですよね。

嶋佐:ウッチャンナンチャンさんも、番組内でフリートークしていたんじゃないかな。

屋敷:さまぁ〜ずさんもやっていたり。

――お2人も『ニューヨークのニューラジオ』をYouTubeで配信されているので、フリートークは慣れているのでは。

屋敷:地上波でフリートークをするとなると、ガチガチになってしまいそうです。「エピソードを考えていかなきゃ」と気負ってしまいそうですね。

――最近は嶋佐さんが『爆問×伯山の刺さルール!』のレギュラーメンバーになったり、日本郵政のCMに出演されたり、屋敷さんが『シャッフルアイランド』のMCを務められたりと、ピンのお仕事も増えています。お互いどう捉えていますか。

屋敷:もうちょっと増えてもいいかなと。

――屋敷さんのピン仕事がですか。

屋敷:いや、嶋佐のです。『刺さルール』のおかげで定期的にゴルフに行けるので(笑)。決まった休みがあるってこんなにワクワクすることなんだって! もう本当にすごく嬉しいです。あと1つくらい増えてほしいですね(笑)。

――意外な答えでしたが(笑)、決まったお休みはとても貴重ですよね。

屋敷:それにピンで声をかけて頂けるというのは、本当にありがたいことです。コンビの仕事とのバランスを見ながら、ほどよくできればと。日本郵政のCMはびっくりしましたが。

嶋佐:最初は「すごいやん!」と思ったら、後輩のヒコロヒーも出ていた(笑)。

屋敷:ヒコロヒー、CMにも『刺さルール』にもおるやん!

嶋佐:今自分はヒコロヒーと同じくらいなんだ、と位置を確認したというか……(笑)。

屋敷:ヒコロヒーはすごいから! ドラマも出てるから!

――それでは最後に『NEWニューヨーク』の今後の展望、意気込みをお願いします。

屋敷:ニューヨークといえば『NEWニューヨーク』という存在になって、10年、20年続く番組になれば。すぐ終わっちゃうのはやっぱり寂しいので、せめて5年くらいは続いたらいいなぁ。

嶋佐:5年は続けたいよね。

屋敷:『NEWニューヨーク』自体の面白さはもちろん大事ですが、僕らの芸人として、タレントとしてのパワーが持続していけば、『NEWニューヨーク』も終わらせるわけにはいかない番組になる。そういう意味では僕らのバロメーターでもあり、命綱でもあり……僕らにとっても、テレビという世界で生きていくうえで『NEWニューヨーク』を続けていきたいので、終わらないように頑張りたいです。

嶋佐:テレビ朝日に「バラバラ大作戦」、「スーパーバラバラ大作戦」が生まれたように、今バラエティがすごく変わってきている。『NEWニューヨーク』を長く続けることで、バラエティの変化に拍車をかけたいというか。

屋敷:うん……?

嶋佐:下剋上ですよね、言っちゃうと。

屋敷:…………やめろ(笑)。見出しになるようなことを言うな(笑)。

嶋佐:誰に対してとは言わないけど。

屋敷:さっきのインタビューでは具体的な番組名言うてたやん! ビビってもうてるやん!(笑)

嶋佐:誰とは言いませんけど、下剋上を起こすぞということで(笑)。

■ニューヨーク
嶋佐和也(しまさかずや)と屋敷裕政(やしきひろまさ)によるお笑いコンビ。2010年に結成。東京・ヨシモト∞ホールでは長らくファーストクラスのメンバーとして劇場の中心を担う。2019年1月に開設したYouTubeチャンネルでは企画動画と共に「ニューヨークのニューラジオ」が人気を博している。2020年の『キングオブコント』で準優勝した。