黒島結菜主演の連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)で、ヒロイン・比嘉暢子の子供時代を好演している稲垣来泉。溌剌とした愛くるしい演技がネットで称賛を浴びているが、黒島も会見で「来泉ちゃんは、本当に暢子として現場にいました」と手放しで絶賛していた。現在11歳の稲垣だが、すでに演技派女優としてスポットを浴びている。
『ちむどんどん』は、本土復帰50年を迎える沖縄の本島北部、やんばる地域を舞台に、おいしいものが大好きなヒロインの暢子ら4兄妹や家族の奮闘を描く物語。脚本を手掛けるのはNHK連続テレビ小説『マッサン』(14~15)などの脚本家・羽原大介氏だ。
「ちむどんどん」とは、沖縄方言で「胸がわくわくする気持ち」を意味するが、稲垣が初回で「食べたらおいしすぎて“ちむどんどん”する」といち早くタイトルを回収したことも話題を呼んだ。
これまでに連ドラ『砂の塔~知りすぎた隣人』(16)や『TWO WEEKS』(19)で子役として頭角を現してきた稲垣。映画『人魚の眠る家』(18)では、事故で意識不明となる難役を演じ、母親役の篠原涼子をうならせた。
朝ドラ出演は、2016年度前期『とと姉ちゃん』、2019年度後期『スカーレット』に続いて3作目。今回はヒロイン・暢子の子供時代という重責の役どころとなった。
暢子は、食べることが大好きでおいしいものに目がない。実際に稲垣が、ゴーヤチャンプルや島豆腐、ラフテーなどの沖縄料理を、おいしそうに頬張るシーンが毎日登場してきた。彼女が満面の笑顔で料理を味わう姿を見るだけで、朝からほっこりした気持ちになれる。
稲垣は、先日の会見で好きな沖縄料理について尋ねられると「私はもともとゴーヤが苦手で、撮影で食べるとなった時に、大丈夫かな? と思っていたんです。でも、ゴーヤちゃんぷるがスタジオに来た瞬間、すごくおいしそうなにおいがして。食べてみたらぜんぜん苦くなくてすごくおいしくて、とても印象に残っています」と答えていた。稲垣が幸せそうに料理を口にする表情は、彼女の本心から生まれた本物の感情に違いない。
また、東京から沖縄にやってきた青柳和彦(田中奏生)の話を聞き「東京のおいしいもん食べたい!」と海辺で叫ぶシーンや、和彦の父・史彦(戸次重幸)に連れていってもらったレストランで初めて食べる洋食に目を輝かせるシーンも非常に印象深く、1週目にして明るくてエネルギッシュな暢子の人となりを見事に表現していた。