■熱望していた『妖怪シェアハウス』続編
――前作の評判や今回の続編『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』決定について、小芝さんのもとへ届いた反響を教えてください。
23時台の放送でしたが、小さなお子さんも楽しみにしてくれていたみたいで、アマビエの「見えます見えます!」とか、白目でテレパシーを送るところを真似してくれている動画を見ました。今回の続編と映画化決定にも「絶対子供が喜びます!」という声をいただいて、大人から子どもまで楽しめる作品になっているんだなと。私は「いろんな妖怪ものの作品があるけど、うちの妖怪さんたちが一番かわいい!」と思っていて。だから自分自身を褒められるよりも「妖怪さんたちがこてんぱんに悪者をやっつけてくれる姿が気持ちよかった」といった声をいただけたときが一番うれしいです。
――前作の現場では「続編があるといいね」とお話しされていたんですよね。
『妖怪シェアハウス』というタイトルですが、座敷童子は精霊だし、お岩さんも幽霊だったりと、登場するのは妖怪だけじゃないんです。妖怪や幽霊はまだまだいるから続編とか「THE MOVIE」とか作れますよね、という話を皆でしていました。冗談で言っていた映画化まで現実になって、言葉にするもんだな! と思いましたね。続編や映画化が決まった後に前作のDVD化も決まり、すごくうれしかったです。
――今作のパワーアップした部分を教えてください。
前作で強くなったと思いきや、澪はまたズタボロの状態からスタートします。妖怪さんたち、特にまりかさん演じるお岩さんは、テレパシーや澪に対する思いも“増し増し”になっていてすっごく面白いです。新しい妖怪さんがたくさん出てくるところや、妖怪さんが闇落ちしているというところなど、前作と違ったスパイスがいっぱいになっています。
■新たに登場する妖怪役キャストに太鼓判
――妖怪の“闇落ち”など、前作とのちがいは。
前作は妖怪よりも人間のほうが怖いというテーマで、澪を騙す人間を妖怪さんがこてんぱんにやっつけてくれるというストーリーでしたが、今回は人間社会にもまれた妖怪さんたちが本来の自分を忘れて闇落ちしてしまうというのが物語の軸になっています。これまでの妖怪さんたちは、人間と妖怪の2つの姿を見せていましたが、今回は「闇落ちした姿」も見せてくれるのが見どころです。闇落ちした妖怪さんたちがどんな悪事を働いていて、どんな経緯で闇落ちしてしまったのか、そのあたりは映画でも詳しく描かれます。映画は澪の恋愛模様も見どころ。ドラマも映画も「なんでこんなにバッチリなキャスティングなんだろう」と思うくらい面白い方がたくさん登場します!
――今作の1話の撮影で印象に残っているシーンはありますか。
私が妖怪さんに追い詰められるシーンがあるんですけど、面白すぎて笑いをこらえるのに必死というか、本番中に笑っちゃったらどうしようと心配になるくらい面白い場面がありました。笑っちゃいけないし、真剣な顔をしなきゃいけないのに、本当におかしくて。監督もどんどん面白い演出をつけてくださるので、本番前のテストではすでに笑ってしまっていました(笑)。
■責任のある役が増え、自分の意見伝えるように
――前作は小芝さんにとって民放連ドラ初主演作品でした。その後さらに主演の経験を重ねられて、小芝さん自身もパワーアップされた部分があるのでは。
えぇー! なんだろう。なにかありますかね?(笑)(周囲を見回す)……今マネージャーさんに「アイデアが出せるようになったこと」だと言ってもらったんですけど、確かに、私が妖怪さんたちをすごく好きなので、いまプロデューサーさんにグッズの提案をめちゃくちゃしています! 映画もありますし、いろいろな提案をしているので楽しみに待っていてほしいです。
――自分からアイデアを出せるようになったきっかけはありますか。
主演や重要な役を任せていただけるようになって、話し合う機会が増えたことが大きいです。監督やプロデューサーさんたちのこだわりも受け入れつつ、でも私も「ここは大事にしたいです」という思いを伝えていかないといけない。10代の頃は、意見を言うのは生意気かなと思っていましたが、逆に伝えなきゃいけないような責任のある役を任せていただけるようになったからこそ、アイデアを出せるようになってきたんだと思います。
――役が小芝さんを作ってきたんですね。先程、松本まりかさんがまたパワーアップしているというお話がありましたが、年上の女優さんとして、松本さんにどんな印象を持っていますか。
まりかさんはすごくかわいらしい方です。ちょっと天然なところもあるのですが、私はゲラなのですぐ笑っちゃって「もうやめてよ~!」って(笑)。それでいてあらゆる知識が豊富な方で、健康面でのお話だったり「こういう油がいいよ」と教えてくれるお姉さんな一面もある。ギャップが愛らしい方だなと思っています。
1997年4月16日生まれ。大阪府出身。2011年「ガールズオーディション2011」でグランプリを獲得。2012年にドラマ『息もできない夏』(フジテレビ系)で女優デビューを果たした。初主演映画『魔女の宅急便』(14)での演技が評価され、第57回ブルーリボン賞・新人賞を受賞。2021年は主演作『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』(テレビ朝日系)にて脚本家・橋部敦子氏が第39回向田邦子賞を、Sexy Zoneの中島健人とW主演を務めたドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジ系)で第109回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・主演女優賞を受賞した。2022年は、鹿児島発地域ドラマ『この花咲くや』(NHK・BSプレミアム、NHK鹿児島)で、映画『貞子DX』で主演を務めることが発表されている。