■日々の忙しさを忘れる藍染体験
徳島県は藍の生産量日本一を誇り、「藍染」は同県の伝統工芸の1つでもある。今回は、阿波藍プロデューサーである永原レキさんが営む「in Between Blues」にて、藍染体験をおこなってきた。「道の駅 宍喰温泉」から徒歩5分ほどの海沿いに建つ同店舗は、海陽町の青い空と海を眺めながら藍染ができるという絶景ロケーションも魅力の1つ。
藍染は、ただ染料に漬ければ勝手に染まるわけではない。生地を藍の原料である「すくも」に漬け、染料をもみこみ、空気にふれさせる。この工程を繰り返すことで、より深い藍色になっていくのだ。
筆者も鉄紺を目指し、工程を繰り返していると……いつの間にか頭から離れなかった仕事や、日々のストレスがふと消えていた。「精神統一みたいでしょ」と永原さんが言うように、無心になれる藍染め体験は、忙しい現代人が心を休めるのにぴったりだと感じた。
出来上がったハンカチは鉄紺とまではいかなかったが、海陽町の真っ青な海を思いおこさせるお気に入りの一枚となった。
また、ここでは海陽町産のオーガニック天然藍「海部藍」の葉や種を使用したお茶やスイーツなど、藍の魅力を食でも体感できる。そのほか、天然藍染のサーフボードやベビーグッズなど、オリジナルアイテムを展示販売しているのでそちらもチェックしてみてほしい。
■Information
「in Between Blues」
【場所】徳島県海部郡海陽町宍喰浦字松原216-3
【営業時間】11:00~17:00(完全予約制)
【定休日】不定休
■DMVの魅力を食で楽しむ
心休める体験を終えて、「道の駅 宍喰温泉」からDMVに乗車。雄大な自然が織り成す景観を横目にバス? 列車? に揺られること約35分、目的地「阿波海南文化村」(DMV専用のバス停)に到着!
「阿波海南文化村」は、文化や歴史をはじめとしたさまざまなテーマに応じた6施設を併設している。その中の施設「三幸館」では、DMVに関連したお土産を購入できるのに加え、食を堪能することもできる。
同館が提供するメニューの中でも人気なのが、DMVのモードチェンジをイメージして作られた「DMVカレー」。ぽんかんの果汁を使用した甘口カレーと、阿波尾鶏のミンチが入った辛口キーマカレーの2種類が一皿に相盛りになっている。
まずは甘口から……。穏やかな辛さのあとにやってくる、ポンカンの爽やかな酸味がなんとも食べやすい。一方、辛口は濃厚でコクのあるルーと、ごろごろとしたひき肉が相性ばっちり。甘口、辛口と別々に食べても良し、一緒に食べても良し。食べ方のモードチェンジで美味しさが倍増だ。
そのほかDMVのお菓子やぬいぐるみ、タンブラーなどもお土産スペースで購入できるので、ぜひそちらもチェックしてみてほしい。
■Information
「三幸館」
【場所】徳島県海部郡海陽町四方原杉谷73 「阿波海南文化村」内
【営業時間】10:00~16:00(飲食スペースは11:00~14:00)
【定休日】毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
■豪勢な海の幸で旅の疲れを吹き飛ばす!
こうしてDMVの旅もひと段落。旅のしめくくりとして、「阿波海南文化村」から車で約15分の「民宿 しらきや」で豪華な海鮮料理をいただく。
創業約50年の和モダンな佇まいの「民宿 しらきや」は、新鮮な魚介を使用した料理が評判だ。特に、名物「しらきや特選海賊料理」(7,150円)は、目の前で焼いてもらえるアワビやサザエ、エビなど6種類の魚介に加え、本日の一品やお造り、ごはん、みそ汁、自家製デザートが付いてくるなんとも贅沢なコース。
店の主人が近くの漁港から生きたまま仕入れてくるという素材は、ベストな調理法と長年の技術によって至極の料理に生まれ変わる。また、目の前で豪快に焼きあげる魚介は見ているだけ食欲がそそられる。
今回特に感動したのは、ホタテ! 噛めば噛むほどに旨味が口の中にあふれ出し、何個でも食べたくなってしまう。また、いずれの食材も大ぶりなのに、旨味がギュッと詰まっており、質も量も兼ね備えたコースはコスパ抜群。徳島の海の幸を味わうならぜひ「民宿 しらきや」で。
■Information
「民宿 しらきや」
【場所】徳島県海部郡牟岐町大字内妻字白木68-2
【定休日】不定休
雄大な自然が広がる場所に「DMV」をはじめ新たな魅力が誕生し、徳島はまさに今、訪れるべき最旬スポットに! 新風を吹き込む同県で、あなたも心と体を癒してみてはいかがだろうか。