3月27日にTBSで放送される佐野勇斗主演のドラマ『就活タイムカプセル』(14:00~14:54 ※一部地域を除く)。本作のプロデューサーを務めているのが、TBS入社3年目の戸島俊季氏。その他、各部署のスタッフも若手がチーフを務めるなど、フレッシュなチームでドラマ作りに挑んだ。「ドラマのTBS」と言われるほど、地上波では高い評価を受けているドラマチームだが、若手から見たTBSの強みとは――。
■監督業を目指してTBS入社、プロデューサーの面白さも実感
『就活タイムカプセル』は、就職活動で連戦連敗中の主人公・朝井拓真が掘り起こしたタイムカプセルに時空を超える力が宿ったことで10年後の自分と文通ができるようになり、自身の未来を変えようと奮闘する就活ヒューマンストーリー。拓真役を佐野勇斗が、拓真の幼なじみで恋人の理紗役を田辺桃子が演じる。
本作のプロデューサーを務めるのは、2019年にTBSに入社した3年目の戸島氏。もともと監督志望だったことから、TBSに入社し、希望通りドラマ部に配属されたというが、なかなか面白い経歴を持っている。
「小学校高学年のころ子役をやっていて、ダンカンさんが監督兼主演を務めた『七人の弔(とむらい)』という映画に出演しました。実は、今作の脚本家・山田能龍さんや社長役・山崎一さんとはこの映画で出会ったんです。『七人の弔』で初めて映画の現場を経験し、芝居の魅力にとりつかれました。そこから高校では演劇やミュージカルをやり、大学でも自分で映画を作ったり、ミュージカルに打ち込んだりしていました」。
大学時代は、将来俳優として生きていきたいという思いを持っていたが、現在の妻となる女性と出会い進路に迷ったという。
「もともと俳優を目指したいという気持ちがあったのですが、現在の妻と出会い、二人で共に歩む人生を考えると、自分の夢のことだけを考えていいのだろうか……という葛藤が出てきました。僕の母が映像業界で仕事をしており、俳優業がどれだけ厳しい道かということも聞かされていたので、かなり進路には悩みました。そんななかで、演じることの楽しさと同時に、俳優と共に芝居を作り上げていく監督業にも魅力を感じていて。自分自身の夢と家族としての幸せ、その両立を考えて最終的には今の道に進もうと思ったんです」。
TBS入社時は、監督としてやっていきたいという思いが強かったが、ドラマ部の企画勉強会をきっかけに、上司から企画作りのイロハを学ぶなかで、プロデューサーという仕事への興味も強くなっていった。
「今回プロデューサーを経験して、物語を脚本家の方と一緒に、ゼロからイチに立ち上げる面白さを学びました。さらに監督とは物語を、俳優さんとはお芝居を作り上げていくことがものすごく楽しかったです。一方で、今回現場を経験して、俳優さんと密に意見をぶつけ合っている監督を見て、いつか僕も監督にチャレンジしてみたいという気持ちもさらに強くなりました」。