中学2年生で上京した上白石だが、今があるのは、時に厳しく育ててくれた事務所のスタッフの存在が大きいという。
「事務所に入って最初の頃、JRの路線図を書いて『定期入れに入れときなさい』と言って渡してくれたような人なんですが、ものすごく厳しい方で、私も子どもだったので、ちょっとしたことでムッとしてしまうことがあると、そのたびに叱ってくれて。今回の番組でも、シェフが七久保先輩に『それなりに指導してあげるのが先輩じゃないの』と言っていましたが、やっぱり怒らないでいるほうが楽じゃないですか。だから、ちゃんと叱ってくれたことがありがたかったんだなと、今は思います」
これからは自分が先輩になっていく立場だが、「まだ怒られていたいという気持ちがあるので……やっぱり私は怒れない気がします(笑)。助言っぽくなっちゃうかなと思いますね」と、後輩への指導方法を想像した。
■ビッグタイトルに2作同時出演「いい意味で我を忘れて」
朝ドラ『ちむどんどん』(NHK)と人気シリーズドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ)と、大きな仕事へ同時に挑むことになったこの春。「春はみんなが“もう一段階次のステージに”と意気込む季節だと思うんですけど、私も、全く違うジャンルの作品を2本同時にやらせていただき、謎解きしながら沖縄に行くということにもなりそうなので、いい意味で我を忘れて2つの役に命を吹き込んでいけたら」と抱負を語る上白石。
そんな転機となりそうな22歳の目標は「“男気”をもっと身につけること」。その心を聞くと、「人間としてちゃんと芯を持って、自分の中で貫いて、それをちゃんと外に出していく年にしたいというのを、いろんな人に宣言してるんです(笑)。なので、自分がやりたいこと、思うことを実現できるようにしたいと思います」と教えてくれた。
●上白石萌歌
2000年生まれ、鹿児島県出身。11年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、デビュー。以降、テレビ、映画、舞台、「adieu」名義での音楽活動など幅広く活躍。18年『羊と鋼の森』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作に、声優を務めた映画『未来のミライ』、ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS)、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)、『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)、『教場II』(フジテレビ)、『ソロモンの偽証』(WOWOW)など。4月からは連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)、『金田一少年の事件簿』(日本テレビ)に出演する。