昨年放送のTBS日曜劇場『ドラゴン桜』や『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、さらには先日放送終了を迎えた日本テレビ系ドラマ『真犯人フラグ』や、映画『嘘喰い』など出演作が相次ぐ俳優の佐野勇斗。そんな彼が主演で臨むTBS系ドラマ『就活タイムカプセル』が27日(14:00~14:54※一部地域を除く)に放送を迎える。本作で佐野は、連戦連敗の就活生・朝井拓真を演じ、現在と10年後の未来の自分という一人二役に挑戦。近年、学生役を超え、さまざまなキャラクターに挑むなど充実一途の印象を受ける佐野に、自身の現在地をどう見ているのかを聞いた。

  • 佐野勇斗 撮影:蔦野裕

佐野が演じる拓真は、周囲が内定を獲得するなか、なかなか就職が決まらず絶望感いっぱいの大学4年生。そんな拓真は、10年前に幼なじみ4人と埋めたタイムカプセルを掘り起こし、そこに「内定が欲しい」と手紙を入れると、10年後の未来の自分と文通ができるようになったことで衝撃的な事実を知らされ、未来の自分と共謀した不正就活で人生を変えようとする人物だ。

現在の拓真と10年後の拓真を演じた佐野は、「未来の自分を演じるというのは初めての経験でした。臨むうえで意識したのは、最大限違和感を与えないように」とテーマを掲げると「正直10年後の自分はまったく想像できないので、すごく苦労しました」と率直な胸の内を明かす。

10年後の拓真について「いまの拓真よりも、良くも悪くも世の中をたくさん見ているので、希望などを失ってしまった“やさぐれ感”みたいなものは意識しました」と役への取っ掛かりを説明すると「監督と最初に話したのは、声のトーンを低くしたり、ゆっくりしゃべるなど『この人、ちょっと怪しいな』という雰囲気を出そうということ」と役へのアプローチ方法を語っていた。

佐野自身は高校生から芸能活動を始めており、就職活動の経験はない。そんななか「オーディションなどを受けて、たくさん落ちた経験もあるので、就活でうまくいかないというのは、そのときの悔しい気持ちと似ているのかなと想像したりしました。実際役ではありますが、周りが内定をもらっているのに、自分がもらえないと、全人格を否定されているような気持ちになりました」と感情移入できる部分も多々あったという。

  • 『就活タイムカプセル』の場面写真 (C)TBS