■「一歩を踏み出さなかった」未来を想像

同作のストーリーを通して、堀田が感じたのは、人生は一瞬一瞬のタイミングと決断の積み重ねで成り立っていて、その上で今生きているということ。大学生から社会人そして結婚……里奈の人生と、自分が歩んできた人生がオーバーラップした。

「元々はモデルからこのお仕事を始めたのですが、まさか自分が女優業をできるようになるなんて想像もしませんでした。『やりたい』という気持ちは漠然とありましたが、自信もないですし、あまりに未知の職業すぎて……」

そんななか、転機が訪れる。ドラマのオーディションの話を持ちかけられ、彼女は「やりたい」と答えた。そして、初のドラマ出演を果たす。心のうちに秘めていた夢を叶え、女優・堀田茜が誕生した瞬間である。あの時、新たな世界へと道が拓ける一歩を踏み出して良かった。そう思うと同時に、彼女は「一歩を踏み出さなかった」未来にも思いを巡らせる。

「もしあの時、私が恐怖心で『やめておきます』と言っていたら、こうして女優業ができていたか分かりません。振り返ってみれば、全てに出会いや一瞬の決断があって、今がある。そう考えると、『あの時、あの決断をくだしていなかったら……』という怖さがあります」