ウルトラマンシリーズの名作『ウルトラマンティガ』(1996年)の系譜を受け継ぎ、さまざまな新機軸を打ち出した『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』(2021~2022年放送)の劇場版『ウルトラマントリガー エピソードZ』が、劇場公開&WEB有料配信(TSUBURAYA IMAGINATION)されている。

  • 中村優一(なかむら・ゆういち) 1987年生まれ、神奈川県出身。2004年に「第1回D-BOYSオーディション」でグランプリを受賞。2005年『ごくせん』第2シリーズにて俳優デビュー。同年『仮面ライダー響鬼』の桐矢京介役で出演(30話から)した後、2007年『仮面ライダー電王』で仮面ライダーゼロノス/桜井侑斗役でレギュラー入り(第18話から)し、幅広い年齢層から人気を集める。 撮影:大塚素久(SYASYA)

『ウルトラマントリガー エピソードZ』単独インタビューの今回は、映画でGUTS-SELECTを束ねるトキオカ リュウイチを演じる中村優一が登場。テレビシリーズでのタツミ セイヤ(演:高木勝也)隊長に代わって個性豊かな隊員たちの指揮を執ることになったトキオカは、超古代遺跡の調査・研究を長年続けてきた学究肌の人物という設定。すでに公開されている予告編映像では、厳しさと包容力を併せ持ったタツミ隊長と一味違う、隊員たちと距離感を縮めた気さくな兄貴分といったトキオカならではというべき、独自のリーダー像を表しているように見える。

――中村さんといえば、『仮面ライダー響鬼』(2005年)の桐矢京介、そして『仮面ライダー電王』(2007年)の仮面ライダーゼロノス/桜井侑斗を演じられて人気を博しました。それだけにウルトラマンシリーズの映画に出演されると報じられた際、驚かれたファンの方も多かったのではないでしょうか。

僕自身、びっくりしましたね。まさか「仮面ライダー」に続いて、人気の特撮作品であるウルトラマンシリーズに出られるとは思いもしませんでした。

――出演オファーが来たとき、中村さんはまずどんなことを思いましたか。

最初、マネージャーから連絡が来て「ウルトラマンの話があります」と言われたので、自分からも「ぜひ出演したいです!」とアピールしました(笑)。

――子どものころ、どんなウルトラマンが好きでしたか?

特にどのウルトラマン……と意識して観ていなかったんです。記憶にあるのはわりと大きくなってからの『ウルトラマンコスモス』(2001年)や『ウルトラマンティガ』(1996年)です。細かい内容はあまり覚えてなくて、漠然と楽しんで観ていた少年時代でした。

――記憶に残っているウルトラ怪獣はいますか?

お金を食べる怪獣のカネゴン(ウルトラQ/1966年)は強烈な印象がありますね。

――ウルトラマンシリーズといえば、防衛チームのカッコいいユニフォームが「定番」のイメージです。中村さんも映画ではGUTS-SELECTの隊員服を着用されていますね。

いやあ、カッコよくて気持ちがアガりましたよ。こういうレザー製の服は、プライベートでも着ていたい。私物として持って帰りたいくらいです。

――映画だけに登場する「トキオカ隊長」とはどんな人物でしょう。

前隊長のタツミ先輩の後輩にあたります。トキオカはタツミのことを先輩と呼んでいました。もともとトキオカは学者をしていましたが、タツミ先輩が別のチームに行くことになり、隊長に任命されます。タツミ隊長が男らしいというか、隊長らしい隊長なのに対して、映画では武居正能監督が「隊長像を変えたい」と話していて、接しやすさ、親しみやすさを感じさせるような隊長を目指しています。

加えて、ケンゴ(寺坂頼我)みたいに笑顔を見せられたらいいな、とも言われました。そんな人物でしたから、隊のみんなとも打ち解けやすかったですね。普段はマイルドに、戦っているときは厳しく、隊長らしくメリハリをつけ、穏やかさと勇ましさのコントラストをしっかり見せたいというのが武居監督のプランでした。

――ウルトラマンの撮影現場に入られて、新鮮に思えたのはどんなことですか。

銃を持ったアクションは今までやったことがなかったんです。巨大な怪獣を攻撃しなければなりませんから、目線の角度はいつも「上」のほう(笑)。銃の撃ち方ひとつにしても、武居監督からいろいろご指導をいただきましたし、それがとても勉強になりました。 武居監督はウルトラマンというか、特撮作品にすごく愛を持っている方で、特撮カットと同じくらい人間側の「お芝居」を大切にしている。僕らの演技も細かい部分まで観てくださり、すごく幸せな撮影現場でした。武居さんが監督をする作品に出られて、よかったなと思っています。