――映画では、GUTS-SELECTのタツミ隊長(演:高木勝也)に代わり、中村優一さん演じるトキオカ隊長が登場するようです。隊長が交代したことで、チーム内の雰囲気が変わったりしましたか。
タツミ隊長はいろいろなことについて柔軟に対応してくれる、厳しくて優しい隊長だと思います。気さくではあるんですけど、怒ると怖い……『サザエさん』でいうと波平さんのような(笑)。僕にとっても最高の隊長なんです。映画のトキオカさんは、冷静さの中に優しさをまとっているような隊長像で、タツミ隊長とは僕たちへの接し方も少し違う感じでしたね。GUTS-SELECTのみんなはすでに成長をしていて、トキオカ隊長もひとりひとりに信頼を置いている。トキオカ隊長の新生GUTS-SELECTは、タツミ隊長のときより「まろやかさ」が増した感じがします。ケンゴが帰ってきてすぐチームになじめたのも、トキオカ隊長が人に合わせるとか、フランクな会話がうまいとか、ケンゴにわりと近い雰囲気を備えた隊長だったからかもしれません。映画の新生GUTS-SELECTもいいチームだなって思いますよ。
――テレビシリーズ第7、8話でも共演を果たした『ウルトラマンZ』(2020年)のウルトラマンゼット/ナツカワ ハルキを演じる平野宏周さんとも、映画でひさびさにタッグを組まれるとうかがっています。劇中での再会のようす、そして実際の寺坂さんと平野さんが撮影合間にどんなお話をされていたのか、教えてください。
映画での再会シーンは、いかにもハルキさんらしい雰囲気ですので、もう思いっきり楽しんでほしいです。撮影の合間では、平野さんから「常にヒーローであり続けること」の大切さを教わりました。雑誌の取材のとき、たとえ写真を撮らないときであっても、変身アイテムを持っていつでもどこでも変身できるようにしておく、とかですね。平野さんもリクくん先輩(ウルトラマンジード/朝倉リク)役の濱田龍臣さんから教わったそうで、じゃあ僕もぜひ、次にやってくる後輩ウルトラマンにこのことを伝えよう!と思いました。55年も続いたウルトラマンを、さらに未来へつなげていくために、ぜったい僕も先輩ウルトラマンになりたいです! 先輩ウルトラマンの平野さんを見て、本当にそう思いました。
――映画を手がけた武居正能監督はテレビシリーズでも第4、5、6、11、12話と節目のエピソードを演出されていました。
武居監督のテレビエピソードは、アキト(演:金子隼也)の感情がすごく動いて、それと向き合うケンゴや、トリガーダークと戦うケンゴの気持ちなどを描いてくださり、けっこう全体の「核」になりうる、個々の感情をゆさぶるシーンを演出してくださったんです。今回の映画でも、武居監督は「ケンゴがまた成長するために、あえてケンゴの喜怒哀楽をさらけだす」と、意識的にケンゴの感情表現を打ち出すことを宣言されていました。
撮影で強く印象に残っているのは、大事なシーンを撮り終わったあと「ケンゴ、めっちゃよかったよ!」と褒めてもらえたことです。テレビシリーズでは褒められた記憶がないんですけど(笑)、映画で初めて褒めてもらえたのが、もううれしくてうれしくて……。僕自身も、自分のハードルを越えられたと思える瞬間がありました。そのときから、撮影って楽しいなあ、と思うようになっていましたね。
――ほぼ半年間にわたる『トリガー』の撮影で、レザー製のGUTS-SELECT隊員服が寺坂さんたちの身体になじんで、映画でもいい雰囲気になっているようです。隊員服についての思いを聞かせてもらえますか。
テレビの撮影を始めたころから比べても、ぜんぜん動きやすさが違いますね。体になじんで味わいが出て、それも楽しいと思える要素のひとつです。装具、ヒザ当て、手袋、時計とかはだんだん汚れたり壊れたりしますけど、それらも僕にとっての「勲章」だと思い、誇らしく思っています。ただ、夏場の撮影のときは暑くて、汗をダラダラかきながら着ていましたね。でも、現場では一切「暑い」とは言いませんでした。周りからも「ぜんぜん暑がらないよね」と言われましたが、実は暑かったんです。それでも「暑い」とはわざと口にしないよう心がけていました。なにしろケンゴは「光」ですからね(笑)。
――ファンのみなさんに映画のこういうところを観てほしい、というシーンは?
最後のシーンでの、ある人物のセリフをお聞きください。映画でいちばん伝えたいことが、ワンシーンに集約されています。ケンゴのセリフではないんですが、あのメッセージを受け取っていただくためにこそ、映画をご覧になってくださいと言いたいですね。注目ポイントはいっぱいあるんですけど、公開前だといろいろ話してはいけないことがあって(笑)。
トキオカ隊長を迎えた新生GUTS-SELECTのこととか、ケンゴがどうやって帰ってくるかとか……。ぜひ、映画公開が終わった後にもインタビュー取材しに来てください! もうちょっと見どころを話しますと、映画ではトリガーへの変身シーンがぜんぶ異なっているので、そこは必見だと思います。すごい体勢でGUTSスパークレンスを構えたり。さらに進化するウルトラマントリガーにご期待ください。
――最後に『ウルトラマントリガー』を愛し、映画を楽しみにされているみなさんにメッセージをいただけますか。
僕がマナカ ケンゴとして、ウルトラマントリガーとして日々を駆け抜けることができたのも、応援してくださった多くのファンのみなさんがいてくれたからです。今この記事を読んでくださっているみなさん、ウルトラマンが素敵な未来に向かっていくため、これからも応援をしてください。よろしくお願いします!
(C)円谷プロ