2021年から2022年にかけて放送された『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』テレビシリーズの「2年後」を描く映画『ウルトラマントリガー エピソードZ』(監督:武居正能)が、3月18日より劇場公開、および「TSUBURAYA IMAGINATION」にて独占有料配信される。

『ウルトラマントリガー』テレビシリーズ最終回で平和を取り戻した地球に、ふたたび巨大怪獣の脅威が襲いかかってきた。予告編映像では、ウルトラマントリガー/マナカ ケンゴの“復活”とともに、別な宇宙からある使命を帯びてふたたびGUTS-SELECTのいる地球へやってきたウルトラマンゼット/ナツカワ ハルキの姿が映し出され、『ウルトラマンZ』(2020年~2021年放送)のファンを歓喜させている。

『ウルトラマントリガー エピソードZ』単独インタビューの今回は、ナツカワ ハルキ役の平野宏周が登場。念願のスクリーンデビューを飾ったウルトラマンゼット、およびハルキは本作でどんな大暴れを見せてくれるのだろうか。

  • 平野宏周(ひらの・こうしゅう) 1999年生まれ、神奈川県出身。高校在学中、サンミュージックに所属。2015年、俳優ユニット「SUNPLUS」結成メンバーとなる。以後、映画、テレビドラマ、舞台、CMなどで活動し、2020年『ウルトラマンZ』ナツカワハルキ役でテレビドラマ初主演を果たす。趣味は映画観賞。特技はアメリカンフットボール、野球、水泳。 撮影:大塚素久(SYASYA)

――『ウルトラマンZ』は劇場版がなかったので、ウルトラマンゼットとハルキは本作で映画デビューとなるんですね。ひさびさにハルキが帰ってくるということで、ファンの方たちからも反響が大きかったのではないですか。

そうですね。『ウルトラマンZ』ファンのみなさんが喜んでくださって、SNSでも大きな反響があったようです。でも公開された「予告編」だと、ゼットさんの様子がちょっとおかしいというか、意味深な感じがあったじゃないですか。予告編を観た方からは、いろんな憶測、推測が飛んでいて「いったいゼットさんはどうなるんだろう?」というリアクションがたくさん出ていました。公開の日まで、いろんな予想をしていただきたいと思います。いい意味でみなさんの期待に応え、また期待を裏切りたいですね(笑)。

――改めて『ウルトラマンZ』のテレビシリーズを振り返ると、平野さんにとってどんな作品でしたか。

全25話、どのシーンも思い出深いですけれど、最終回でストレイジのみんなと共に戦った、あの経験は特に忘れがたいといいますか、今の役者人生の糧になった出来事です。また、ひとつの作品を作るため、いろいろなセクションの人たちが動いている。たくさんの人たちが関わって、緻密な特撮作品が出来上がるんだなあと知ることができたのも、貴重な経験でした。

――『ウルトラマンZ』は子どもたちの人気はもちろんのこと、かつてウルトラマンシリーズを観ていた大人のファン層からも反響が大きい印象でした。

僕の周囲の人たちからもそう言われていて、ああ人気なんだなあと思いました。しかし、『Z』の人気というのも、昔からずっと続いてきたウルトラマンシリーズが存在し、先輩たちがつないで来てくれた流れで『Z』がよい方向に盛り上がってくれたにすぎず、やっぱりこれまでの「ニュージェネレーション」シリーズを含めて、作り手のみなさんがずっと一生懸命やり続けてきたからこそなんだと思います。

そしていかなる時も「ウルトラマン」を愛し、応援してくれた方たちがいたからこそ、幅広い世代に『Z』が愛されたんでしょう。特に『Z』に関しては、メイン監督の田口清隆さんと、脚本・シリーズ構成の吹原幸太さんの功績がすごく大きいと思います。スタッフの方々が本当に汗水流して、撮影のため動き回ってくださったおかげで『Z』が人気作になったんです。

――ストレイジが誇る「特空機」第1号として活躍したセブンガーは特に大人気で、ソフビ人形もすごい人気ぶりでしたね。

確かに、放送中に玩具売り場とか行ってましたけど、どこに行ってもセブンガーは見かけなかったです。

――現在はあいにくのコロナ禍で、子どもたちと直接ふれあうイベントもなかなかやりにくい状態が続いていますが、そんな中でも年末年始の「ウルトラヒーローズEXPO2021」は無事開催され、ハルキの活躍を大勢の子どもたちが拍手やウルトラチャージ(応援ポーズ)で応援されていました。子どもたちからの応援を受けた平野さんのお気持ちを聞かせてください。

ウルトラヒーローズEXPOは、自分がヒーローなんだと実感できる場所でした。子どもたちの応援が本当にありがたくて、確実に力をいただきましたね。テレビシリーズのオンエア中、ときどきデパートの玩具売り場とかに行っていました。子どもたちに「ハルキだ!」とバレたかったんです。でも実際には、ぜんぜん気づかれませんでした(苦笑)。イベントでは、子どもたちが僕の目を見ながら、本気で応援してくれる。あの純粋な目で励まされると、どんな大きなことでも成し遂げられそうなパワーを感じますし、これから先も人として恥じるような生き方をすることができないぞ、子どもたちの見本でないといけないなっていう気持ちが芽生えてくるんです。

――『ウルトラマントリガー』にはテレビシリーズ第7、8話でゲスト出演されましたが、あの2本だけ『トリガー』でありながらもゼットとハルキが出てきた時点で『ウルトラマンZ』カラーに変貌してしまって、面白かったです。

『トリガー』に出たときは、ひたすら先輩面して、ケンゴくんのことイジり倒して、好き放題やらせてもらったんです(笑)。でも合間に楽屋で話をしていたら、(寺坂)頼我くんは僕より芸歴が長くて、ぜんぜん先輩でした(笑)。そういう恥ずかしい思い出がありましたね。それでも頼我くんは「ウルトラマンでは後輩ですから」というスタンスでいてくれて、その後もずっと先輩面することができました!

――以前の変身アイテム「ゼットライザー」を持たないハルキが、アキト(演:金子隼也)の作った「GUTSスパークレンス」でゼットに変身するくだりでは、詳しい説明を聞かなかったハルキが最初の変身に失敗するという、笑いのシーンがありました。

『Z』の第1話でも、ハルキはゼットライザーの使い方をわかってなくて、最初に操作を間違えるじゃないですか。あれってすごいリアルな描写だと思うんですよ。ウルトラマンにいきなり変身するとき、誰しもがどうやったらいいかわからなくて、絶対ああなると思うんです。体感では、GUTSスパークレンスのほうが、ゼットライザーよりやりやすかったですね。ゼットライザーでの変身をしていたころは、「ウルトラメダル」の向きが少しでもズレているとNGになってしまうんです。そういうのがないぶん楽でした。