――10代を通じて、どんな面で変化・成長したと実感していますか?
(下を指す手ぶりを交えながら)こうなったときですかね。下がったとき。年末には1回、必ず下がるんです。それまでにも、悩んだり、うまくいかなかったりっていう低迷期があったり、あとはパンクしそうになったとき。目の前のお仕事が重なって、自分の「足りなさ」を実感したとき。「やばい、どうしよう。足りない」ってなったときに、改めて自分について考えたりとか、向き合う時間ができるんです。
そこで自分自身が対話した結果、あまりいい答えは出ないんですけど、例えばマネージャーさんだったり、周りの人や先輩に相談して出た結果=「周りの方からもらう意見」が、自分に大きく影響を与えているなと思います。「これが!」っていうよりは、塵も積もれば山となるですね。いろんな方の意見だったりアイディアが、どんどんどんどん積み重なっていって。
以前の私は優里みたいに、けっこう引っ込み思案な感じというか。優里よりも引っ込み思案だったと思うんですけど、そうだった自分が、こんな人前に出るお仕事で変われたのも、このお仕事でいろんな方と出会えたことがきっかけなんです。人って変わるんだなあって、すごく思います。
――後輩の方も増えてきたと思うのですが、先輩として、そういったポジティブな変化が起こることを伝えていけるといいですよね。
まだ私に、それが務まるかどうかはわからないんですけど(笑)。悩んでいる子がいれば、少しでも助けになってあげたいなと思いますし、同じ職種だから少しはわかることがあると思うので、共感したり、相談を聞くことはできると思うんです。ちょっとでも、頼り甲斐のある先輩になれたら嬉しいですし、頼れる先輩にもちゃんと甘えられるようになりたいなと思います。甘えるのは苦手なんです(笑)。
――周囲の方とのやり取りで、刺さった言葉はありますか?
私がデビューしてからずっと、割と長いことお世話になっているマネージャーさんがいるんです。私が「こうやりたいねん!」「こうじゃないと思うんですよ!」みたいに、自分の思っていることを、バーって伝えるときがあるんですね。
答えを出してくれるんですけど、結果、悔しいなって。やっぱり、絶対に負けるんですよ(笑)。考え方も「あ、そういう考え方があるんや」って、自分が考えたことよりも、もっと大きいスケールのことを見ているから、「自分ってすごくちっちゃいことを考えていたんやな」「悔しいな」って。
「負けてられない」って言うと変ですけど、認めてもらえるくらい頑張りたいんです。自分のためでもありますけど、周りの育ててくださった方に、恩を返せるくらい。「成長したな」って思われるくらい「頑張りたい!」っていう気持ちもあるんです。そういうことが、自分が「頑張ろう」って思う一つのきっかけにはなっていますね。
――悔しい気持ちが原動力になっているんですね。
自分自身で褒めることは、基本的に、お仕事ではないんです。マネージャーさんにたまに褒められると、ちょっとテンションが上がります(笑)。
――たまにしか褒められないんですか(笑)?
基本はそうですね(笑)。悔しいなって思って、「頑張ろう!」って思えます。でもそれは愛なんです。「こんなので、まだ納得しちゃだめだぞ」っていうメッセージだと思うので、すごくありがたいなと思いますし、思ったことを素直に伝えてくれる、信頼しているマネージャーさんだからこそなので、感謝しています。
もちろん、家族もそういうサポートはしてくれますけど、お仕事とかでは、家族贔屓ではないですけど、そういう目が入ってしまうと思うんです。そうではなくて、育てている、作り手としても携わる、マネージメントする面として、しっかり公平な立場で見てくれるんです。身内でもあり、指導者でもありみたいなところがあるので、お世話になってます(笑)。愛のある指導というか、わかりやすく言ってくださるので、ありがたいです。
高橋ひかる
2001年9月22日生まれ。2014年に「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得し、これをきっかけに芸能界へ。女優にとどまらず、女性ファッション誌『Ray』専属モデルのほか、バラエティタレントとしても活躍中。2022年は、映画『おそ松さん』に出演するほか、初主演を務める舞台「日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022 NHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』の公開が控えている。