現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(毎週土曜23:00~)で俳優の速水もこみちが演じているのは、細田佳央太や宮世琉弥ら生徒を厳しくも温かい目で見守る風間勇気コーチ。学生時代、エースとして学園を「全国選抜高等学校イケメン大会」優勝に導いた「伝説のイケメン」という役どころだ。
物語も残すところあと2話。今回は速水に、今作の魅力や撮影の裏話はもちろん、学園ドラマの代表作『ごくせん』の思い出や、宮世を真のイケメンだと感じた差し入れエピソード、速水がイケメンだと感じる先輩俳優についてたっぷりと話を聞いた。
■学園ドラマは生徒たちがキラキラ輝く現場
――速水さんの学園ドラマといえば、代表作の1つに『ごくせん(第2シリーズ)』(05年)があります。今作で生徒役の皆さんを見て、速水さんが生徒役を演じていた頃との変化を感じる部分はありますか。
今作で共演した生徒役のキャストたちは、皆驚くほど真摯で真面目で、ちゃんと自分のプランを持って芝居をしていたのでただただすごいと思いました。それでいて臨機応変に対応できる柔軟性もすごいんです。自分がもし10代の頃にここにいたらついていけないと思うくらい(笑)。イケメンを日々追求しているだけありますね。撮影の合間に美顔器でケアしていたり、メイクさんと相談していたりと、それぞれが見せたい“美”もしっかり持っている印象を受けました。そして「学園ドラマ」は、気合の入った生徒たちがキラキラ輝く現場。学園ドラマに対するキャストの思いは、昔も今も変わらないと感じました。
振り返ると、僕が皆くらいの頃はまだまだ駆け出しだったので、共演者同士で「ここにギャグを入れてみよう」、「じゃあ俺はこの場面でこうするね」とか、結構話し合いをしながら作っていましたね。僕はただ扇子を振っていただけなのですが(笑)。
■『ごくせん』時代のモチベーション
――“つっちー”こと土屋光役は扇子がトレードマークでしたね。その頃お話しされていたことで印象に残っていることはありますか。
第1シリーズがすごく人気だったから、続編に出演させて頂けることへの感謝の気持ちを皆が持ちながらも、変な意味じゃなく「負けないように」、「絶対超えてやるぞ」と鼓舞し合っていました。本来こういった学園もののドラマは、ロケに出たときに「キャー!」と声援を浴びることが多くて、それが生徒役のモチベーションに繋がっていたんです。やっぱり皆そういう声があるとうれしくて、僕も当時はひたすらかっこつけていました(笑)。今はコロナ禍でロケの機会が減ってしまったのは残念でしたが、エキストラの女の子たちがパワフルでリアクションも上手だったので助けられましたね。「キャー!」っていう声援は、すごい力を持っているんです。
■“伝説役”は初めてではない
――今作で速水さんが演じる風間勇気コーチは、「伝説のイケメン」という役どころです。役作りについて教えてください。
最初に伝説のイケメン役と聞いたときは僕でいいのかなと不安でしたが、皆さんに「速水さんしかいないです」と仰って頂けたので、もう思い切り演じようと決意しました。先日、自宅で資料を整理していると、真っ白いスーツを着て「伝説のホスト役」をしていた頃の写真が出てきまして(『女帝』(07年))。僕、“伝説役”は初めてじゃないんだ! と(笑)。
――風間コーチを演じるうえで心がけていたことは。
面白い台詞が多かったので、ふざけず真面目に生徒へ伝えたいなと。遊び心を大切にしつつも、生徒のテンションにあわせて演じることに重きを置いていました。あとテーマである“イケメン”はどうしても外見的なものだと思われがちですが、コーチとして「中身をしっかり磨くことの大切さ」を伝えたいなと。僕自身、やはりイケメンというのは中身の話で、他人への接し方や、話し方、振る舞いに現れるものだと思っています。
――劇中で印象に残った台詞を教えてください。
イケメンの上の「真のイケメン」という言葉が登場したり、台本を頂くたびに驚くワードがたくさんありました。長台詞もありましたが、『緊急取調室』で事件の流れを説明するときの長台詞に慣れていたお陰でそこは問題なく(笑)。風間が自分の過去を語る場面では、僕自身のエピソードもちょっと入れて頂いていたりしていて、気持ちを込めやすかったです。