舞台という意味では、先日劇団EXILEメンバーがそろった『JAM -ザ・リサイタル-』公演が千秋楽を迎えた。青柳は「あの舞台は特殊で、演劇というよりはショーみたいな感覚に近いですよね」と笑うと「一番の目的はファンの方々とのコミュニケーションをとる場というか……。鍛錬というよりは、どうやったらファンに楽しんでもらえるかが主眼なんです」と位置づけを語る。
続けて青柳は「やっぱりみんなそれぞれ個人の活動がメインになってきて、現場で経験を積んできている。それこそ鈴木(伸之)や町田(啓太)などもすごく人気でたくさん作品に出ています。みんな違う道で活躍するなか、なかなかスケジュールを合わせることが難しくなってきているので、毎日しっかり稽古して作り上げていくというものよりは、個人で活動した経験を、劇団EXILEという集団に戻って来たときに発散できるような場になれば……という意味合いが強いです」と語る。
メンバーそれぞれが個々で力をつけ、それを余すところなく披露できる場があるということで、青柳自身もより切磋琢磨しようとモチベーションは上がり、自身の現在地も確認ができるという。
4月の上演に向け、座長として横山由依、入野自由、松平璃子、近藤公園、そして小倉久寛ら個性的なメンバーたちと稽古に入る。「結構初対面の方には緊張してしまうので、なかなか自分からコミュニケーションを取れるタイプではないのですが、今回は頑張りたいです」と意気込むと「いつも稽古が始まる1週間ぐらい前に緊張がピークに達して、本読みの段階になると自我が崩壊してしまう。でも訳が分からなくなったあと、素の自分に戻るので、空回りしながらも、何とか無事初日を迎えられるように頑張ります」と抱負を語る。
コロナ禍でエンターテインメント自体に元気がなくなってしまっているが、青柳は「この2年間は本当に我慢の時間だったと思います」と語ると「だからこそ、しっかり準備をして、以前のパフォーマンスを超えるようなものを作っていかなければいけないと思っています」と強い視線を向ける。さらに「三船敏郎さんをはじめ、黒澤明監督など、日本映画のすごさを海外に知らしめてくださった方々の生きた時代をリスペクトしながら、(作家の)鈴木聡さん、(演出の)ラサール石井さんらと良いものを作っていきたいです」と決意表明した。
『三十郎大活劇』は、4月2日~17日に東京・新国立劇場 中劇場、4月23日・24日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。チケット一般発売は2月26日から。
1985年4月12日生まれ、北海道出身。2009年に俳優デビュー。2011年、劇団EXILEのメンバーとなり、劇団内外の舞台作品、映画・ドラマなど幅広く活躍し、2016年には歌手デビューも果たす。2012年、映画『今日、恋をはじめます』で第22回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。2017年、主演映画『たたら侍』が第40回モントリオール世界映画祭最優秀芸術賞を受賞。WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム2』では初めて監督に挑戦した。近年の主な出演作は、舞台『MONSTER MATES』(19)、『ハムレット』(19)、こまつ座『人間合格』(20)、映画『jam』(18)、『孤狼の血 LEVEL2』(21)、ドラマ『13』(20)、Netflix『今際の国のアリス』(20)、『私の夫は冷凍庫に眠っている』(21)など。