これがテレビ番組のナレーション初挑戦となったが、聴き心地の良い落ち着いたトーンで、スタッフたちは次々に絶賛。本人は「言葉の意味を持たせる音楽というのを普段やらせていただいているので、そこはナレーションとも近いなと思いました」と感触を語りながら、「(ナレーションは)メロディーが決まっていない分、自分で決めて声のトーンを高くしたり低くしたりして気持ちを表現できるので、音楽よりもある意味幅が広いのかなと思いました」と発見があったそうだ。
ただ、「聴き直してみると、『ここはこっちの音程のほうが良かったかな…』とか思ってしまい、今すごく悔しい気持ちもあります(笑)」と向上心を覗かせつつ、「すごく挑戦できる部分もあって、とても楽しかったです。気持ちよく楽しく、声を出させていただきました」と充実の表情を見せた。
■「収録中に泣かないで済んで良かった」
今回のオファーに、最初は「結構戸惑いのほうが大きかったかもしれないです(笑)」というが、「私は人見知りで、人と一緒にいられないんですけど、人の人生にこうして語り手として携われるのは、1つ夢がかなったというか、『私、これがやりたかったのかもしれない』というのを、台本を読ませていただきながら感じました」と喜びに変わっていったそう。
普段テレビをあまり見ないため、オファーをもらってからFODに登録し、過去の『ザ・ノンフィクション』の傑作回を視聴すると、「心が重くなるようなテーマが多い印象があります。人の一生というのは、フィクションよりもノンフィクションのほうが劇的であるというのをすごく感じさせてくれるなと思いました」と印象を持った。
今回のテーマは、「重く落ち込むというより、自分も寄り添っていけるような前向きになれるお話だったので、収録中に泣かないで済んで良かったなと思います(笑)」とホッとした様子。自身が強く共感できるだけに、「この山奥ニートのお話は、私ほど心境が近い人もなかなかいないんじゃないかと思うので、適任だなと思いました(笑)」と胸を張り、今後シリーズ化されたら、「ぜひやらせていただきたいです」と意欲を示した。