Beats by Dr. Dreが、新しい左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン「Beats Fit Pro」(24,800円)を1月28日に発売します。心地よい装着感と多彩な機能、パワフルな“Beatsらしさ”が炸裂するサウンドなど、気になる実力に迫ります。

  • Beats by Dr. Dreの新しい完全ワイヤレスイヤホン「Beats Fit Pro」(ストーンパープル)

Beats完全ワイヤレスイヤホンの“決定版”

Beats Fit Proは、Beats by Dr. Dre(以下:ビーツ)の完全ワイヤレスイヤホンの第3弾です。価格順に並べると、2019年に発売したイヤーフックスタイルの「Powerbeats Pro」(27,280円)と、2021年夏発売の「Beats Studio Buds」(17,800円)の中間に位置付けられます。

  • 左からPowerbeats Pro、Beats Fit Pro、Beats Studio Buds

  • 今回試用したストーンパープル。同色を含めて全4色のカラーバリエーションを用意する

  • Beats Fit Proのカラーバリエーション。左からストーンパープル、セージグレイ、Beatsホワイト、Beatsブラック

Beats Fit Proは、Appleの立体音楽体験「空間オーディオ」にフル対応しており、3機種の中では最先端を走るテクノロジーにも注目したいワイヤレスイヤホンです。価格が近いAppleの第3世代「AirPods」(23,800円)と比べると、「アクティブノイズキャンセリング」(NC)機能を備え、専用アプリによってAndroidスマホともスムーズに連携できるところが大きな魅力。なお、NCと「外部音取り込み」の機能を搭載するビーツの完全ワイヤレスイヤホンは、既存のBeats Studio Budsに続く第2弾となります。

製品名の「Fit」の由来は、ひとつには優れたフィット感を実現しているためと考えられます。外耳のくぼみに固定するウィングチップと、耳に挿入するシリコン製のイヤーチップにより、体を激しく動かしても微動だにしない安定した装着感は要チェック。装着感を高めるための各パーツは、ビーツのエンジニアが時間を掛けて作り込みました。性別や耳のサイズを問わず、誰でも自然で心地よいフィット感が得られるのは、ビーツが長年に渡って集めてきた耳型のサンプルデータを元に各パーツを設計しているためです。

  • シリコン製のウィングチップ。イヤホン本体に固定されている。厳しい基準に従った品質検査を行い、本体やウィングチップ、イヤーチップの耐久性を確保した

  • ウィングチップを耳のくぼみに沿うように固定。しっかりと安定した装着感が得られる

  • 専用アプリの画面で正しい装着方法のガイダンスを確認できる

イヤーチップはS/M/Lの3サイズを同梱しており、4色のバリエーションがそろうイヤホンの本体と色を合わせています。一般的に、イヤホンはユーザーの耳のサイズに最適なイヤーチップを選ぶことで、最良の音質と遮音効果が得られるものです。Beats Fit Proの場合、ペアリングしたスマホから「イヤーチップ装着状態テスト」を行うことで、左右それぞれの耳に最適なイヤーチップのサイズを調べることもできます。

  • S/M/Lの3サイズのシリコン製イヤーチップが付属。本体と入念にカラーマッチを図った

  • iOSデバイスとBeats Fit Proをペアリングし、Beats Fit Proの設定画面から「イヤーチップ装着状態テスト」(中央)を選んだところ

  • 短いテストトーンの後に、イヤーチップが耳にフィットしているか結果が表示される

イヤホンは片側の重さが約5.6g。ウィングチップとイヤーチップを使って正しく耳に着ければ、耳にイヤホンを着けていることを忘れそうになるほど軽やかな装着感です。充電器を兼ねる専用ケースは、従来のPowerbeats Proのケースに比べてだいぶ小さくなりました。バッグやジャケットのポケットに入れて無理なく持ち歩けそうです。

  • 手のひらに心地よく収まるコンパクトな充電ケース

iPhoneとAndroidスマホ、どちらでも相性がいい

Beats Fit Proは、Appleが開発するBluetoothオーディオ向けのシステムICチップ「Apple H1」を搭載しています。このチップがあることで、特にiPhoneなどAppleのデバイスにBeats Fit Proをペアリングして使うときの利便性が向上します。

ひとつ例を挙げると、iPhoneやiPad、MacなどすべてのAppleのデバイスとワンタッチペアリングが可能です。AirPodsシリーズのユーザーにはお馴染みかもしれません。

1台のデバイスとペアリングが完了すると、ユーザーのiCloudアカウントに紐づく他のAppleデバイス間で「自動デバイス切り替え」が使えるようになります。たとえばMacでビデオ会議をこなした後、iPhoneで少し音楽を聴いてリラックスしたいときに、毎度Bluetooth設定からイヤホンを選び直さなくても、次に使いたいデバイスでコンテンツを再生するだけで自動的に接続先が切り替わります。

  • Beats Fit Proのケースの中のボタンを長押ししてからiPhoneに近づけると、自動ペアリングのメニューが起動する

  • 一度ペアリングを完了したデバイスでコンテンツの再生を始めると、自動的にBeats Fit Proの接続先が切り換わる

ほかにも、たとえば「オーディオ共有」機能を使うと、1台のiPhoneにBeats Fit ProとほかのビーツやAppleのイヤホン/ヘッドホンを同時にペアリング可能。家族と一緒にジョギングやウォーキングをしながらペアリスニングが楽しめます。イヤホンを紛失してしまったときにAppleデバイスから探せる「探す」アプリ、iPhoneへの着信通知をSiriが音声で読み上げてくれる機能にも対応します。

空間オーディオにフル対応! その魅力を満喫する方法

Beats Fit ProはAppleの空間オーディオに完全対応しています。同製品の発売時点で、AirPodsシリーズ以外に完全対応する他社製ワイヤレスイヤホンは他にありません。

特に注目したいのは「ダイナミックヘッドトラッキング」の機能が使えることです。ダイナミックヘッドトラッキングとは、iPhone/iPad、またはApple TV 4Kで空間オーディオに対応するコンテンツを再生しながら、顔の向きを変えても、デバイスで再生するコンテンツの音が元のあるべき位置に定位して聞こえる技術です。空間オーディオにより音の広がりが生まれて、ダイナミックヘッドトラッキングが加わるとさらに臨場感が豊かになります。

空間オーディオ対応のコンテンツは、代表的な所ではApple TV+やApple Music、Netflixなどのアプリサービスで充実しつつあります。さらに、Beats Fit ProをiPhone/iPadと組み合わせると、元がステレオ音声で製作されているコンテンツの音声も“空間オーディオ化”(空間化)して、ダイナミックヘッドトラッキングを効かせて楽しめるようになります。CDからiPhoneに取り込んだ楽曲やYouTubeの動画など、コンテンツの音声に全周囲から包まれるような体験はぜひ味わっておくべきです。

  • iOSのコントロールセンターからBeats Fit Proのボリューム表示を長押しすると「ノイズコントロール」のメニューが開く

  • ステレオソースの“空間オーディオ化”(空間化)、ダイナミックヘッドトラッキングのオン/オフが選べる

ビーツのイヤホンは、Appleのデバイスとだけ相性が良いわけではありません。Google Playストアから「Beats」アプリをAndroidスマホにインストールしてペアリングすると、接続したイヤホンのバッテリー残量や、NCなどリスニングモードのステータスがアプリ上で確認できるようになります。

また、Google Fast Pair機能によるスマホとイヤホンのワンタッチペアリングにも対応します。使い心地がとてもスムーズなので、Androidスマホユーザーにも初めての完全ワイヤレスイヤホンとして、Beats Fit Proがおすすめです。

  • Android版「Beats」アプリからイヤホンのステータスを確認したり、さまざまな設定操作が行える