――波瑠さんに取材した際、林さんの印象を伺うと「落ち着きがあって物腰が柔らかくて、何でも受け止めてくれる深い懐を持っているように見える方」「あのキレイな瞳に見られていると、こちらが見透かされているような気がして、嘘をつけないと思っちゃいます」と仰っていました。

ほんとですか(笑)。そんなことを言ってくださっていたんですね。

――そんな波瑠さんと2人で演じるシーンも多いと思いますが、お芝居をするうえではどんなコミュニケーションを取っていますか。

波瑠さんとは、演じていて何か引っかかりが生まれたときにすぐ話ができる関係性です。でもわざわざ確認しなくても大丈夫だという無言のやりとりもあって、お芝居で会話するのが楽しみになっています。すごく濃密に関わっていく役どころなので、恥ずかしいシーンもありますが、一切遠慮する必要のない関係性だと思っています。やっぱり安心感がありますね。

――溝端さんとは、2008年の映画『DIVE!!』での共演経験があると思いますが、溝端さんに林さんの印象を伺ったところ「当時と変わらず、ひたむきでまっすぐでピュアで、胸の内に熱いものを秘めている」と仰っていました。

うれしいですね。今回久しぶりにお会いしましたが、僕も淳平くんの印象は変わりません。当時からすごく優しくて、不器用なところもあるけれど、気配りができて皆に愛される方。ずっとピュアな部分を持ち続けていて、現場のスタッフさんはもちろん、僕のマネージャーさんにも話しかけてくれて、そんな気遣いができるところがかっこいい。純粋に人が好きで、人が喜ぶと自分がうれしいという思いを持っている方なんだと思います。

――「当時はスタッフさんたちと焼肉の食べ放題に行っていた2人が、今は劇中で一緒にワインを飲む場面があって感慨深い」とも仰っていました。また、「当時はライバルという気持ちもあったけど、今は純粋に刺激をもらっている」とも。

当時の話をたくさんしたんですね!(笑) 10代20代の頃は、同性の俳優同士には常にそういう意識がありました。これまで舞台を見に行ったりと活躍されている姿を直に見てきましたが、きっとお互いが知らない苦労も経験してきて、今面白い作品で一緒にお芝居ができることがたまらなくうれしいです。

――現場はどんな雰囲気ですか。

年齢が近くて、お互いの活動を見てきた方々ばかりですので、撮影では信頼し合っています。待ち時間は昔の話とか、これまでどう過ごしてきたかとか、昨日何食べたかとか他愛もない話をしています。実家のこたつで話しているような、無理に話さなくてもいい空気と適度な距離感があってすごく居心地がいいですね。

――SNSなどで「考察」が飛び交う作品になりそうですが、視聴者へのメッセージをお願いします。

視聴者の方の反応が楽しみです。作品へのストレートな感想を自分で見ることができる時代の中で、気にしすぎてはいけないですが、反応から得られるものもたくさんあると思っています。今回は脚本から自信を持ってお届けできる作品。想像を超える展開が待っていますので、隅々まで見ていただければと思います。

■林遣都
1990年12月6日生まれ、滋賀県出身。2007年、映画『バッテリー』主演で俳優デビューし、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞、第81回 キネマ旬報ベスト・テン 日本映画新人男優賞などを受賞。その後映画出演を経て『荒川アンダー ザ ブリッジ』(MBS・TBS)で連続ドラマ初主演を果たす。近年の出演作に映画『私をくいとめて』、『犬部!』、『護られなかった者たちへ』、『恋する寄生虫』、ドラマ『世界は3で出来ている』、『姉ちゃんの恋人』『ドラゴン桜』、『失恋めし』など。4月よりパルコ・プロデュース舞台『セールスマンの死』に出演。