Pebble Feel:ついにメタバース空間の温度に触れた!
Pebble Feelは専用のホルダーを使って首元に着ける、ポケットサイズのウェアラブルデバイスです。SteamVRから配信されるVRコンテンツ内の暑さや寒さ、またはオブジェクトの冷たさや温かさを再現するため、ユーザーに触覚を付与するユニークな役割を果たします。
【専用のホルダーで背中に身に着ける】
ユーザーの肌に触れる金属プレートを、急速に冷やしたり温めることで冷温感を伝えます。筆者が厚手の外着で取材にのぞんでしまったため、写真からは若干イメージしづらいかもしれませんが、Pebble Feelをポケットに入れたホルダーを背負いながら使います。
本体はバッテリー非搭載のため、ホルダーには別途、Pebble Feelの電源として使うモバイルバッテリーを収納するポケットがあります。バッテリーを内蔵しなかった理由について、シフトールの担当者は「長くメタバース空間に滞在している最中も、バッテリー切れのために没入感が損なわれないように配慮した」と説明しています。
【冷温感がすばやく切り替わる】
Pebble FeelをSteamVRのコンテンツと連動させるためのアドオンをPCにインストールしてから、Pebble FeelとBluetoothで接続して使います。Pebble Feelによる体感温度の設定は、既存のシェーダーを使って簡単にプログラミングできる仕組みも合わせて提供されるそうです。
取材時点では連携を試せるコンテンツがそろっていなかったため、テスト用のモバイルアプリからPebble Feelを操作して冷温効果の強さを体験しました。冷感モードがMAXの状態でプレートに触れるとかなりの冷たさを感じます。そのまま温感モードに切り換えると、すばやくプレートが温まります。体感温度は使用する環境によっても変わりますが、室温25度の場合最低9度、最大42度の範囲で冷温感を伝えるそうです。
【コンテンツと連動する体験が魅力】
実際にSteamVRのコンテンツを体験したときに、Pebble Feelがどれぐらいリアルにメタバース空間内の冷温感を再現してくれるのか、ぜひ体験してみたくなりました。
筆者は首元だけでなく、手元でメタバース空間に触れたときの冷温感が再現できるデバイスがあってもよいと思いました。VR空間内のオブジェクトの質感を触感フィードバックによって再現できるデバイスと、Pebble Feelのような冷温感を再現するデバイスのコンセプトが融合すると、さらに面白くなりそうです。
mutalk:静かなる声に美しき精神が宿る!
もうひとつのmutalkは、一見すると小型のVRヘッドセットのようにも見えますが、その正体は静音性能を高めたワイヤレスBluetoothマイクです。メタバースやオンラインゲームを楽しむときに、ボイスチャットの会話が周囲に漏れないように口元を覆いながら使います。
【装着・接続設定はとても簡単】
装着方法はmutalkを口元にあてながら、マジックテープで長さを調節できるバンドで頭の後ろ側に固定します。鼻まで覆い隠す必要はありません。
PCとの接続はBluetooth。スマホなどモバイルデバイスとの接続もできますが、外部ワイヤレスマイクとして使うことに関しては現在検討中だそうです。
mutalkも、MeganeXなどのVRヘッドセットと組み合わせて、おもにSteamVRプラットフォームのVRチャットといったコンテンツを楽しむ用途を想定しています。そのため、mutalkの側にボリューム設定のボタンがありません。出力音声のボリュームはPC側で操作します。
【確かに、声が漏れ聞こえない】
mutalkはBluetoothマイクですが、電気的な処理は一切行わず、アナログ的に口のまわりに“戸を立てる”消音装置でもあります。金管楽器を演奏したことがある方々には、トランペットやトロンボーンの音の出口に装着する楽器「ミュート」の使用感に近いと表現すれば伝わりやすいでしょうか。
装着して話す人の声は、確かに周りに漏れにくくなります。今回は静かなオフィスで試させてもらったため、大きな声を張り上げれば装着した状態でも会話できました。
mutalkを装着すると口元の動きが少し制限されます。マイクを通してヘッドホンで確認したmutalkによる音声にも影響が出るためか、ややこもりがちに聞こえました。
筆者は顔がデカいくせにパーツ単位で見ると口は小さいので、mutalkを装着して普通に話すことができましたが、口の大きさ、顔の形によってはmutalkが小さすぎると感じる人もいるかもしれません。mutalkと口の間に挟んでフィット感を調整する、柔らかい素材のアジャスターなどがあれば、万人に使いやすいミュート機能付きワイヤレスマイクになると思います。