――コミックスのオマケページなどに掲載されている“裏話”も読み込むほど、マンガがお好きなんですね。

大好きです! ほかにも撮影の素材として用意された「マンガ家を目指している方が描いているマンガ」を読んだり、そういったイラストの上から重ねて線を引く作業をしたりと、すごく楽しんでいます。

――今作には望緒、玲子、優美、奈々江と4人の29歳女性が登場しますが、共感できるキャラクターはいますか。

誰もが感じたことのある思いを、4人それぞれが持っています。望緒だけ、奈々江だけ、ではなく、4人の悩みをすべて抱えている人もいるかもしれない。優美だったら、結婚して幸せかもしれないけど、「もっとよく考えて結婚すれば良かったかも」「独身の皆が楽しそう」とか、奈々江の「私の人生はこんなはずじゃなかったのに」とか。

――誰もが共感できるポイントが4人それぞれにあるということですね。

30歳が近づいてくると、悩みって一気に膨らむか、ケリがつくか、どちらかだと思うんです。自分も経験してきた分、4人を見ているとずっしりと重い気持ちになることもあって、それくらいリアルな悩みが描かれています。

――過去のインタビューでは、20代後半に持っていた悩みが、30歳になったときパッと弾けて考えることがなくなったと仰っていました。そう思えたきっかけを教えてください。

30歳を前に「もっとちゃんとしなきゃいけない」とかいろんなことを考えていましたが、いざ30歳になっても、何も変わらないというか。時が来たら30歳になってしまうからびっくりしますよね(笑)。思えば20歳になるときも全く同じ気持ちだったなと。「大して何もできるようになっていないのに大人になってしまう。どうやって生きていこう」という不安がすごくあって、「あちゃー!」と思いながら20歳を迎えたんですけど、20歳になったからと言って、何も変わらないんだと気付きました。10年後にまた同じことを繰り返していて「学習しないな、私」と思いました(笑)。

――では最後に、放送後に「考察」もたくさん飛び交うであろう今作の見どころをお願いします。

全員が怪しく見えるドラマです。誰かが何気なく言ったことが、後から「そういえばあのときこの人こう言ってたよね」という伏線になっていたりと、一見何気ないシーンにもいろんなことが隠されているので、油断せず、集中して見ていただきたいです!

■波瑠
1991年6月17日生まれ、東京都出身。2006年にドラマ『対岸の彼女』でデビューし、女優として経験を積みながらファッション雑誌『セブンティーン』、『non-no』の専属モデルも務めた。2015年、NHK連続テレビ小説『あさが来た』のヒロイン・白岡あさを演じ、2016年には『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』で民放連続ドラマ初主演。近年の主演作に、ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』シリーズ、『G線上のあなたと私』、『日台共同制作ドラマ 路〜台湾エクスプレス〜』、『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』、『ナイト・ドクター』、映画『弥生、三月-君を愛した30年-』、『ホテルローヤル』など。