■ゲストへの気配りとヒアリング

レギュラーシリーズでの『緊急取調室』は1話完結型をベースに、回替わりの豪華なキャストが取調を受ける被疑者を演じてきた。天海はゲストに「若い役者さんが被疑者役でゲスト出演してくださることもありますが、いきなりレギュラーメンバーの中に入って、いきなり取り調べられるという役どころは、何重にもプレッシャーがある」と寄り添い、「でも実は毎回ゲストの方こそ主役。ゲストの方が魅力的に映れば映るほど、『緊急取調室』も面白くなると思うので、好きなように暴れてほしい。私たちはゲストの方のお芝居を受ける側なので、どういうふうにやりたいですかと伺って、どう演じても大丈夫、ちゃんと受け止めますよと伝えるようにしています。私のまわりには百戦錬磨のおじさんたちもいますしね(笑)」と、頼もしいレギュラーメンバーに思いを馳せる。

その思い通りに『緊急取調室』はゲストのポテンシャルを“引き出す”ドラマとしても評判を呼び、放送終了後のSNSではゲストに対しての「天海さんに引っ張られてすごくいい演技になっていた」「こんなに難しい役もできる方だなんて知らなかった」といったポジティブな感想が目立つ。天海は「8割9割はその方がお持ちになっていたお芝居の実力」と敬意を払いながら、「もしかしたら1割2割は思い切り芝居を出せる環境や信頼関係を、私たちやスタッフ一同で作ることができたからだと思いたい。そうだったらうれしいですね」と笑った。

■今作のゲスト・菜々緒への期待

最新作で迎える被疑者の1人が、菜々緒。天海は映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』での共演を「とても前向きにお芝居に取り組まれる方だという印象を持ったので、今回の役柄に関してもめいっぱい頑張ってくださるだろうという期待があります」と振り返り、対峙するシーンについて「とても楽しみにしています。お互いに譲らない部分、譲り合える部分のせめぎ合いを見せられたら楽しいなと思っています」と期待を寄せた。美しき実力派女優の対決。天海は菜々緒をどう“引き出す”のか――大きな注目が集まりそうだ。

■天海祐希
1967年8月8日生まれ、東京都出身。主な出演作に『離婚弁護士』『BOSS』(フジテレビ系)、『女王の教室』『偽装の夫婦』(日本テレビ系)、『Around40~注文の多いオンナたち~』(TBS系)など。2021年は映画『老後の資金がありません!』で主演を務め、『私は白鳥』でナレーションを担当した。2022年は舞台『COCOON PRODUCTION 2022「広島ジャンゴ 2022」』(4月5日~30日東京・Bunkamura シアターコクーン、5月6日~16日大阪・森ノ宮ピロティホール)が決定している。