――毎回、視聴者からの「不平・不満・グチ」をトークに展開される番組ですが、ハガキはどういうポイントで選ばれているのですか?

松居:「あぁ、分かるなあ~」っていうのとか、自分に起きたことと近い内容のハガキも「これ話したいな」って選んでます。読み方に懸けるというのもありますね(笑)

磯野:直美ちゃん、読むの上手だから(笑)

森尾:二十何年間やってきて、直美ちゃんが言ったように自分と近い話を選んでいくと、私だったら夫の話をワ―って読んでる時期もあったし、今だったら子供の話を読んでる時期だと思うし、犬を飼ってからは動物の話とか、たぶんすごく自分にリンクしてるのを選ぶかな?

磯野:私もそうね、その時の自分の気分で選んでます。自分の気持ちで、「普段だったらこんなハガキ読まないだろうな」というのを選んだりする日もあるし、意外性のあるハガキ好きもです。「今までこんな意見出たことないな」みたいなテーマが出てくると読みたくなっちゃいますね。流れを変えたくなるというか。みなさん、いろんなのをくださいますよ。だから、ハガキを読んでるのが一番楽しいです。

――振り返ってみて、印象的なハガキは何ですか?

松居:由美ちゃんが金魚のハガキを読んでくれて、それで(セットで飼ってる)金魚を見たら、1匹挟まってて、助けに行ったことがあったんです。

磯野:死にかかってた金魚が、読んだハガキのおかげで助かったのよね!

松居:その後舞台で、貴理子ちゃんが金魚のおっさんの役をやって(笑)

磯野:なぜかおっさんなのよ(笑)

森尾:懐かしい(笑)

  • 番組セットにある金魚の水槽

磯野:私が覚えてるのは、この番組が伝言板みたいになってる時があったんです。「看護師さんと『はやく起きた朝は…』の話をうまくできなくて、ごめんなさい。でも無事退院できました」っていうハガキを読んだら、その看護師さんがたまたま見てくださって、「あの時の看護師は私です」って。番組を見てる皆さんがやり取りをしてくださっているのが、すごくうれしかったです。SNSだったら簡単にできるんでしょうけど、番組を通じて見てる皆さん同士でのやりとりが、うれしかったですね。

森尾:私もそれ! 思い出すねー。

■三宅P「マンネリをどう打破していくか」

<番組のプロデューサーは『オレたちひょうきん族』『ライオンのごきげんよう』『あっぱれさんま大先生』『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』など、様々なバラエティ番組を手がけてきた三宅恵介氏。『はやく起きた朝は…』におけるハガキの選定方法や、今回の収録の手応えを語った――。>

送られてきたハガキをディレクターと(放送)作家で全部読んで、このネタは直美ちゃんがいいだろう、貴理子さんがいいだろう、由美さんがいいだろうと仕分けして、収録の1週間くらい前に20枚くらいずつお渡しして、その中からご本人が気に入ったのを選んで収録に臨みます。

だから、由美さんが読むハガキを、他の2人は初めて聞くわけ。リハーサルもなく、こういうハガキを読むという打ち合わせもないという形で、同じようなスタイルでやってきました。

この番組は3人のドキュメントなんです。最初に結婚したのは由美さんで、子供が生まれて、海外での生活が始まって。そのうちに直美さんが婚約して、結婚して、子供が生まれて、別れて。そして、貴理子さんが1回目の結婚をして、2回目の結婚をして、また別れてと、3人それぞれにドラマがあるので、同じネタのハガキを20年前に読んだとしても、絶対今と意見が違うと思うんですよね。その時その時のポジションで、その時の意見を素直に言ってるから、これだけ長く続いてるのかなと思います。

今回はノエルさんをゲストに迎えましたが、ゴールを決めずに、3人がどういうふうに刺激を受けてどう転がっていくかというのを、僕も楽しみにしてました。収録ではうまい具合につながって流れていった感じがしましたね。

二十何年やってますが、こうやって俗に言うマンネリをどう打破していくか。マンネリの良さもあるんですが、どうしても同じ世代な長くやってると凝り固まっちゃう感じもあるので、今回の企画を新年一発目にやったことで固まったものを壊して、30年に向けて動いていければと思います。

  • 三宅恵介プロデューサー