●アゲアゲで始まる後半戦は、2021年の”神コラボ”相手もサプライズ登場!
さて、ここからライブは後半戦。せつないムードを一蹴するかのように、5月にリリースした最新シングルで結成した『芹澤優 with DJ KOO & MOTSU』として”神コラボ”を実現させた「EVERYBODY! EVERYBODY!」のイントロが流れると、ステージにはMOTSUがサプライズ登場!
ラップ部分ではファンへクラップを煽って場内のムードをアゲアゲに。また、ツアーの他会場でかわりにラップを務めたバンマス・宮田”レフティ”リョウ(Ba.)によるサングラスをかけてのパフォーマンスに芹澤が爆笑してしまうハプニングもありつつ、サビでは芹澤に合わせて再びブルーのペンライトが左右に大きく揺れて、一体感をあらたにしていた。
曲明けには芹澤が「何度心が折れそうになっても『エビエビ(※EVERYBODY! EVERYBODY!)』でブチ上がれる」と感謝を伝えると、”神コラボ”のもう1曲、若干キュートさ濃いめのポップなナンバー「YOU YOU YOU」の披露へ。もちろんここでもMOTSUとの掛け合いも含めつつ、要点を押さえたレベルの高いダンスで、この曲でフィーチャーしたい”かわいさ”を的確に表現していった。
後奏中にMOTSUを送り出すと、自身が所属する声優グループ・i☆Risの「Special Kiss」をセルフカバーへ。イントロで「全員と目合わせていくぞ!本気だぞ私は!」と宣言すると、サビではしっかりと原曲に沿った振付をキュートに織り交ぜながらも、それ以外の部分ではステージの端から順に前へうしろへと歌唱しながら指ハートのクリスマスプレゼント。
キュートなステージを展開すると、「終わっちゃうよそろそろ、やだー!」のシャウトから『キラッとプリ☆チャン』のキャラソン「COMETIC SILHOUETTE」がスタート。2-Aメロではステージを移動するなかナチュラルに投げキッスも織り込んだりと、再び堂々たるステージで、しかしサビ前には満面の笑みでダンスをまっとうしつつ、それでいてクオリティも両立させる強いステージ。Dメロラストでは反ったポーズの美しさと歌声の伸びのよさの両面で、ぐっとファンを惹き込んでいった。
曲明けにはステージが暗転。ピアノの音色をバックに芹澤の姿がライトに当たって浮かび上がると、「ツアーでみんなに届けたかった、大切な想いを乗せて歌います」との言葉に続いて本編ラストナンバー「Revelation」を、力の限り歌い上げていく。この曲の中で、よりいっそう自然と心を持っていかれたのが、2-Bメロ。前半はうつむき気味に歌いつつも、後半一気に感情を爆発させて、サビに突入したところでもう一段ギアを上げてみせる。歌声の面でのこの公演随一のポイントが、ここにあったと言っても過言ではないのではないだろうか。歌唱後のまっすぐな「ありがとうございました!」のひと言は、そうして想いを届けきれた実感があったからこそのものだろう。
●来秋には1stフルアルバムも! 芹澤のまっすぐな歩みは止まらない
歌唱後、ステージが暗転したのちにブルーの光に包まれる会場。続けて自然とアンコールを求めるクラップが起これば、芹澤の影ナレによってバンドメンバーが次々にステージへと呼び込まれ、最後に「Merry Birthday!」のイントロとともに芹澤が再登場。サビではバンドメンバーとともにボックスステップを踏むなどステージを楽しみながら、ポップなナンバーに温かさを乗せてハッピーを振りまいていく。
本来は観客の大合唱の響く2サビ明けでは、バンドメンバーがその合唱を担うのと同時に、ファンもメロディに合わせてペンライトを振って”声”を発する。芹澤もこの部分のみイヤモニを外してそれを受け止めると、「いつも大好きだよ!」と返して想いの届けあいに。
歌唱後にはその「Merry Birthday!」の歌詞になぞらえて、「来年もその先も、みんなと会えるように頑張ります!」と改めて宣言し、i☆Risのファンクラブ・虹会で事前に行ったアンケートで1位を獲得した曲、『プリパラ』のキャラクターソング「ぷりっとぱ~ふぇくと」の披露へ。イントロが始まった瞬間から芹澤のモードはまたも一気にチェンジ。演じるキャラ・南みれぃならではのあざとさも全開にしつつ、ひとつひとつの動きやボーカルワークは安定感を持ったクオリティ高いものに。
また、2サビ明けの間奏などでは決めポーズでピタリとストップし、この曲のみOKだったスマホ等での写真撮影へもサービス。かと思えばDメロ最後の歌詞を「新しい声優アイドルみせる!」とチェンジし芹澤としての宣言も込め、意欲もたっぷりな1曲としてみせてくれた。
さらに曲明けには、2022年秋にソロでの1stフルアルバムのリリースも発表!この日もっとも長く大きく続いた拍手が、ファンの喜びの度合いを表す。ソロデビュー5周年イヤーにあたる記念すべき年にどんな作品を生み出してくれるのか、続報にも期待だ。
そんな喜びが場内を包むなか、ライブはいよいよ大詰めへ。ラストナンバーを前に芹澤はツアーを改めて振り返る。時折涙ぐみながらもファンやスタッフへの感謝を述べ、「みんなは私の大好きな人だから、自分のことを好きでいてほしいし、みんなも好きな人にまっすぐでいてほしい」とも言葉をかける。そして「そんなみんなに私ができることは、たっぷり愛を込めて歌うこと」とまとめ、ラストナンバー「最悪な日でもあなたが好き。」へ。
頭サビ明けに「今日は本当に素晴らしいライブを、ありがとうございました!」と心の底からの感謝をシャウトする。会場のファンはサビや2-Aメロのコール部分で、クラップとペンライトの光で”コール”を送り続け、芹澤も1サビ後に「大好きだぞー!」と愛を返す。さらにはDメロ後にはバンドメンバーへ感謝を告げてからのバンドをフィーチャーしたパートで、ステージ上でも互いの”愛”が送り合われる。そうして会場中を”好き”の力で目いっぱいに満たし、最後にステージ上のメンバーとのジャンプエンドで曲を閉じた。
そして5人揃ってののち、バンドメンバーが先に降壇すると、最後に芹澤がもう一通青い封筒を手にしてポストに投函。「明日もみんなが幸せでありますように!」のひと言を届け、拍手を受けながらの長い長い一礼とともに、ツアーファイナル公演は幕を下ろしたのだった。
その青い封筒は、会場からの退出時に”彼女の好きな人=ファン”の手元へと届く。会場を出るまで、いやそれを開けて中身を読むまで、このライブの空気に浸らせ続けてくれるという非常に愛あふれる演出だ。そういう部分まで含めて”好きな人がいるだけで。”というツアーは、細部にまでこだわり抜かれていたと言えるだろう。そのこだわりが、ただ持ち歌を披露するだけではなく、足を運んで”体感”する価値のあるステージを見事に作り上げたのだ。
彼女のプロフィールページには、”将来の夢”としてこう記されている。「声優・芹澤優として世界中で歌とセリフを入れ混ぜた最高のLIVEをすること」と。つまり今回のツアーはその夢から逃げずに向き合い、具現化したものだった。そしてただ形にするだけではなく、さらなる発展を期待させるものまで高めたことには、心から拍手を送りたい。
来秋リリース予定のフルアルバムなど、ソロとしても前へと進み続ける芹澤優。only oneの存在を目指す彼女の歩みは、これからもまだまだ続いていく。
また、本ライブのアーカイブは12月31日まで視聴可能となっている。
●“Yu Serizawa 2nd Live Tour 2021 好きな人がいるだけで。”東京 夜公演
2021.12.25@Zepp DiverCity(TOKYO)
【SET LIST】
M1. Voice for YOU!
M2. ハイハイハイハハイテンション
M3. 神×太陽×サマーパーティ
M4. ヒロインズドラマ(『キラッとプリ☆チャン』キャラクターソング)
M5. PRINCESS POLICY
M6. Out Of Control!(『乖離性ミリオンアーサー』キャラクターソング)
M7. Imaginary
M8. 片思いExpansion
M9. 告白
M10. 今夜も月がきれい
M11. EVERYBODY! EVERYBODY!
M12. YOU YOU YOU
M13. Special Kiss (i☆Risカバー)
M14. COMETIC SILHOUETTE(『キラッとプリ☆チャン』キャラクターソング)
M15. Revelation
EN1. Merry Birthday!
EN2. ぷりっとぱ~ふぇくと(『プリパラ』キャラクターソング)
EN3. 最悪な日でもあなたが好き。