• あたみ桜

このようなバラエティ番組での大きな露出は、土石流災害でマイナスイメージが発信されてしまった熱海にとって、それを払拭するチャンスと捉えている。

「マスコミさんで『熱海土石流』『熱海の災害』と報じられて熱海というキーワードが出てしまったのですが、今回の土石流は伊豆山地区という限られたエリアで大きな被害を受けたもので、熱海駅前や市街中心部、南熱海地区といった一般的にイメージされる“熱海”のエリアは、災害の影響はなかったんです。ですから、テレビでタレントさんたちが楽しくロケされている姿が放映されれば、『熱海、平気じゃん』『ビーチもきれいじゃん』と思ってもらい、ご心配が払拭されていくのではと思います。テレビの力は大きいですので、地元の方々にも期待のお声がけを頂いています」

北関東に比べて温暖で「常春」と呼ばれる熱海は、1月から咲きはじめる「あたみ桜」に、熱海梅園では「梅まつり」、そして冬の温泉需要もあり、実は1~3月がトップシーズン。ロケが復活し、年末年始にその模様が放送されることで、戻り始めた観光客のさらなる呼び込みに貢献するとみている。

特に『有吉の壁』は、これまでの放送で反響や効果が大きかったことから、「『まだ熱海は災害があったから…』とロケを見送っているテレビ業界の方々も『なんだやってるじゃん』となって、またさらに輪をかけて来てくれるような気がします」と、期待を膨らませた。

熱海市のロケサポートのTwitterでは、ロケ協力の実績があり、土石流の被災者を受け入れたホテルを紹介し、感謝のツイートを投稿。さらに、自衛隊、警察、消防、医療関係者や、義援金やふるさと納税による支援への感謝、そして支援をうたう詐欺への注意喚起も発信していた。そうした熱い“熱海愛”をもとに、その魅力を発信するロケ支援にまい進している。

  • 熱海市役所観光建設部観光経済課メディアプロモーション戦略室長の山田久貴氏