日本テレビ系科学バラエティ番組『所さんの目がテン!』(毎週日曜7:00~)の「かがくの里」企画が、環境省の主催する第9回グッドライフアワードで、実行委員会特別賞 森里川海賞を受賞。実行委員会特別賞は2年連続の受賞で、地上波テレビ番組初の快挙となった。
番組MCを務める所ジョージ、「かがくの里」専任プレゼンターを長年担当しているお笑いコンビ・セバスチャンの阿部健一がこのほど、東京・麹町の日本テレビで取材に応じ、受賞の喜び、番組への思いを語った。
「かがくの里」は、2015年1月から80回以上放送している、「自然との共生」をテーマにした里山再生企画。「里山の再生」や「生物多様性の保全」を発信していくことや、「里山の生物図鑑の出版」「能登白米千枚田とのコラボ」など、放送外でも里山再生をアピールする活動が高く評価され、今回の受賞に至った。
受賞の感想を聞くと、所は「すごいでしょ〜? 1年目にとった時に『次もうちに頂戴よ』と言っておいた甲斐があるね」と笑顔。「そういう肩書きと言ったらおかしいけど、形容詞が付くと、お茶の間の皆さんに『この番組はちゃんとやってるんだ』って、また違う目で観てもらえる。こんなのが(MC)やってても(笑)」と冗談めかしながら、番組の取り組みが評価されたことを喜んだ。
しかし、企画開始当初、手が加わる前の里山を目にした時は、都内から離れた立地でスタッフも頻繁には足を運べず「途中で失敗もするだろうし、尻つぼみになっちゃうかもしれない」と、不安な気持ちのほうが大きかったという。
実際、企画が始まってからも「梅の木があって、梅が落ちてることにも気づかない。自然薯を見つけた時も『もっと周りから掘らなきゃ下まで辿り着けないよ』と思うような掘り方をしていたり、何か物足りないなと思いながら観てた」と打ち明ける。
そんななか、畑にノウサギの子どもがいるVTRを観た時に「『ここ、ウサギの子どもがいるの!?』って(笑)。あそこから僕の見方が変わった気がする」と述懐。年数を重ねるうち、専門家とスタッフたちの関係性がより深まり、「いいチームになった」ことが企画の面白さに繋がったのではないかと分析した。
そして、関係者たちの「かがくの里」への思いは想像以上の熱を帯び、番組として「素敵な展開になっている」と言い、所自身「今は参考になることのほうが多い」と舌を巻く。
例えば、11月28日の放送回。この回では、増えたミツバチのために巣箱を数段に増築していき、最後はミツバチに気づかれないように巣の上の部分だけを切り取ってハチミツを採るというミツバチの習性を利用した方法が紹介されたのだが、所は「ハチミツ(の取り方)なんかも頭良くて! 」と絶賛する。
「ハチさんが気づかないうちに上の部分がなくなるんだけど、どんどん下に(巣を)作っていくっていう。あいつらは思いのままだね(笑)。それがすごい勉強になったり、楽しいよね」と語った。
その嬉しそうな語り口から、スタッフたちの思いはもちろん、所の「かがくの里」への興味も膨らんでいることが伝わってきた。所の心境に変化があった瞬間に気づいたのかを阿部に尋ねると、「だんだんテンションが上がるのが分かって、『かがくの里』を愛してくれているなと実感しました」としみじみ。
すると、所からすかさず「どうして、質問に寄せたような良い意見を言おうとするのかな……(答え方を)作ってるのが分かるもん(笑)」とツッコミが。これに対し、阿部が「本当ですよ! ウサギのVTRをご覧になっている時も(楽しそうでした)」と主張するなど、仲睦まじいやり取りを見せ、記者たちを笑わせた。