いまどきのスマホとして、カメラ機能をそれほどアピールしていないのも特徴的です。メインカメラはF1.8のシングルレンズで、有効画素数4,800万画素のセンサーを搭載。4つのピクセルを1つのピクセルとして扱うことで、大きなピクセルピッチにして撮影します。そのため、記録画素数は1,200万画素になり、4,800万画素での撮影はできないようです。フロントカメラは約800万画素のF2.0となります。
UIもシンプルで、基本的にシャッターボタンを押すだけ。料理・人物・夜景という3つのモード、ムービー撮影機能も用意されています。画像処理はそれほど高速ではないので、キビキビと撮影できるというほどではありません。
スタンスとしては一昔前のiPhoneと同様に、細かいことは考えずにメモ的にカメラを撮影する用途向けと言えそうです。
描写は通常の撮影では特に問題なく、十分な写りをします。料理モードにすると彩度を高めて暗部を持ち上げるような処理をしているようで、より色が派手に出ます。シーンによっては料理以外でも料理モードを使って良さそうです。
料理モードの色被りとアップデートの効果は?
照明によっては料理モードで青被りが発生することがあったようです。彩度を高めることで照明に含まれる青が強調されてしまうせいかもしれません。特に青の色被りは食事の写真としてはイメージが良くないため、注意が必要です。12月13日にアップデートがアナウンスされ、「色再現性の向上」という修正が提供されました。
改めて、アップデート前後(発売直後のバージョン「1.001MI」とアップデート後のバージョン「1.020MI」)のBALMUDA Phoneで検証したところ、ホワイトバランスにクセがあり、色が転ぶことが多いようです。被写体に向けたときに色がおかしかった場合、カメラを別の被写体に向けてホワイトバランスを切り替えて、改めて料理に向けると、青被りが解消されることがありました。
アップデート後では、同じように撮影しても青被りはせず、黄色被りも抑えられているように見えます。基本的に彩度を高めて暗部を持ち上げるという手法は変わらないので、料理の中でも最適な被写体とそうでない被写体はあるでしょう。
特に蛍光灯下で緑の被写体を狙うと、色被りを除こうとして逆に周辺に紫が出てしまう現象もありました。これはアップデート後でも発生しており、まだまだ調整すべきところはありそうです。こういうのはAIが生きてくる場面ですが、BALMUDA PhoneのSoC(Snapdragon 765)の性能では難しい処理かもしれません。今後の開発に期待です。
シングルカメラでシンプルな設計というのは、BALMUDA Phoneの立ち位置としても理解できます。難しいことは考えないで使えるというスタンスは、分からなくもありません。個人的には、「実はそれでいて高画質」と言えれば、もう少し格好良かったと思うのですが、実際の描写としてはそこまでではないというのが率直な感想です。