――VRゴーグルを着け、コントローラーでGUTSファルコンを遠隔操縦するシーンでは、どういう風にお芝居しようと考えられましたか。
最初の操縦のとき、エキサイトしているため体を激しく揺らして芝居をしていたんです。でも撮影が終わったら、乗り物酔いに似た感覚に陥ってしまい、次のシーンまで少し時間をいただいたことがありました。あとで映像を観返したら、いろんなところがダメダメで、思うように表現できなかった面が多く、かなり反省しました。ファルコンちゃんの操縦シーンは自分の中での山場だと思っていましたし、監督やカメラマンさんも熱心に寄り添ってくださり、遠隔操縦している雰囲気をもっともっと出していけるよう工夫を重ねました。撮影をしながら少しずつ、ファルコンちゃんへの愛情とか、一体となって怪獣と戦っている気持ちを強めていって、相棒としてやっていけると思うようになりました。
――GUTSファルコンができるだけダメージを受けずに飛行させようと、ヒマリ隊員が懸命に操縦するカットなどで、彼女のファルコンへの強い愛情を感じます。春川さんとしても、GUTSファルコンに愛着はありますか?
それはもちろん。ハイパーモードに変形するおもちゃも買いましたからね。大事にしすぎてまだ箱から出していません! ファルコンちゃんは小型機のように見えますけど、ハイパーモードになって怪獣ととっくみあいする姿とかには重量感があって、カッコいい!と素直に思います。形もかわいいじゃないですか。折り紙の鶴に似ていて(笑)。アキト(演:金子隼也)がユナ(演:豊田ルナ)の誕生日プレゼントに「デコったスタンガン」をプレゼントしたことがありましたけど、ヒマリもできることならファルコンちゃんをかわいくデコりたかったです(笑)。改めて、ファルコンちゃんというすてきな相棒がいてうれしく思いますね。
――GUTS-SELECTにはケンゴ、ユナ、アキトの若者チームと、タツミ隊長(演:高木勝也)とテッシン隊員(演:水野直)とヒマリの大人チームに分かれている印象ですね。
そうなんです。私は隊長とかテッシンさんのくくりで(笑)。自分自身、フレッシュさがないのはわかっているんですが、お2人に比べて芸歴も出演経験もまだまだで、足りないものが多すぎると思うんですよね。それでいて、もう若者って立場でもないし……。まあ、ちょうど真ん中くらいの立ち位置でしたし、あっちからもこっちからも仲良くしてもらっていました。物語の上では外に出て任務にあたるケンゴたち3人と、ナースデッセイ号の中にいる私たち3人に分かれてはいますけど、キャスト全員の関係性というと、まったく隔たりがありません。芸歴も年齢も関係なく、何も気にせず気さくに話すことのできる人たちが揃っているんです。
――みなさんの中で、いちばんおしゃべりなのはどなたですか?
それはもう、テッシン役の水野さんです。水野さんが何かギャグを飛ばすと、必ずそれを拾ってはゲラゲラ笑っているのが隊長の勝也さん。先輩たちが率先して、現場に楽しい空気を作り上げてくださるのがステキだと思います。シズマ会長役の宅麻伸さんも大ベテランですけど、とても優しく、人を笑わせるのがお好きな方なんです。忘れられないのはキャストの顔合わせのときのこと。宅麻さんは誰よりもおもしろい挨拶をされて、みんなの爆笑を集めていました(笑)。
――半年間にわたる撮影の日々は、キャストのみなさんがとても楽しかったとおっしゃっていました。それだけに、クランクアップを迎えたときは寂しさがあったのではないですか。
私的には、終わって寂しいという感情よりも、「コロナ禍の中、無事に撮影を終えることができてよかった。よく走り切った」という安心のほうが強かったんです。何か悪いことが起きたら大変だな、心配だなという思いが、撮影中ずっとありましたからね。半年間、がむしゃらに撮影をこなしていたこともあって、体感的に「短い」と思ったのも含めて、クランクアップを迎えても「本当に終わったのかな、もう毎日のように隊員服を着ることはないのかな」なんて、信じられない気持ちが数日間続きました。寂しい思いもありますが、それよりもみんなで撮影をやりきることができた、達成感のほうが強いですね。
――10月24日のオンライントークイベントのため、ひさびさにGUTS-SELECTのみなさんが集まったときのご感想をお願いします。
いやあ、もうみんな元気すぎ! さっきケンゴとユナに会ったんですけど、朝からすごい元気で、圧倒されました。私の元気が奪われた感じです(笑)。トークイベントでまたGUTS-SELECTの隊員服が着られて、こうして戻ってくることができるのはうれしいですし、来年の「ウルトラヒーローズEXPO2022 ニューイヤーフェスティバル」のトークショー(1月4日)にも出演が決まっています。撮影が終わっても、ヒマリとしてみなさんの前に出ることができる機会があるのはうれしいです。
――トークイベントでは、春川さんの明るく元気なキャラが本領を発揮する予感がしますね。
いえいえ、私は後ろのほうでリアクションするとか、場を賑やかしているのが得意ですから、ちゃんとしたトークは他の方にお任せします(笑)。イベントのフリートークだったら緊張しないんですけれど、最後のほうでよくある情報告知……決められた内容を間違えずしっかりと伝えないといけないとき、ものすごく緊張しますね。もしそんな瞬間が訪れたら、ヒマリの冷静沈着さをお借りして、役の力で乗り切ろうと思っています!
――今後もまたヒマリ隊員としてイベントに出る機会があるとすれば、春川さん的にはどんなことをやってみたいですか?
隊長とテッシンさんと私のトリオで出演してみたいです。そして3人でキャラソンを歌うというのはどうでしょう。盆踊りみたいな楽しく、明るい歌を歌って踊りたいです(笑)。
――ぜひお願いします! 最後に、いよいよクライマックスに向けてのドラマが進み始めた『ウルトラマントリガー』について、春川さんから今後の注目ポイントを教えてください。
『ウルトラマントリガー』は最終回に向けて、気になる「謎」の部分がほどけていくと共に、伝えたかったメッセージもはっきりして、すっきりとした読後感が味わえるんじゃないかと思います。ずっと観続けてくださったファンの方たちが、あったかい気持ちになってくれたらうれしいです。
(C)円谷プロ (C)ウルトラマントリガー製作委員会・テレビ東京