母親の心情については「子供が生まれてきたら自然とそういう気持ちになれたんですけど、妊婦さんの段階では全然想像つかなかった」と言い、気持ちを理解するために、さくらももこさんによる妊娠&出産エッセイ『そういうふうにできている』(新潮社)を「ずっと読んでいました」と明かした。
そのエッセイで勉強になったことを尋ねると、「やっぱりさくらさんって普通じゃないなって思いました(笑)。ただの妊娠の記録ではなく、出産を通して宇宙のことを考えたりしていて、さすがだなと思うことが多かったです」と答え、「すごく面白いなと思ったのが、子供が生まれた瞬間から愛着が湧くわけではないと。私から出てきたけど別人で、初対面の人に突然愛情なんて湧かない。でも、これから私はきっと否応なしにこの子を愛するようになるだろう。そういうふうにできている。そういったことが書かれていて、すごくリアルに感じられて面白かったです」と、特に印象に残っている話を紹介した。
そして、さくらさんのエッセイを読んで「いろんな母親の形があるけれど、みんな子供のことを愛しているんだなと思いました」と母親の愛情を感じたという。きっとそれも安子のるいへの愛情に生かされているのだろう。ちなみに、上白石自身は、安子がるいを出産してすぐ愛情が芽生えたそうで、「生まれた瞬間から愛おしかったです」と振り返った。
また、母親に妊娠しているときの話を聞いて役作りの参考に。「すごく重かったし、すごく蹴っていたって。でも、つらいことがあっても幸せだったと話していて、母ってすごいなと思いました」と、母の強さを感じていた。
現在23歳の上白石。14歳から安子を演じ、「年齢が上がれば上がるほど馴染む感覚がある」という。「出産以降、特にそうで、目の前に小さい子がいて、この子を守らなきゃっていう気持ちに自然となれて、共演した小さな女優さんたちのおかげだと思っています。あの子たちが私を自然と母にしてくれました」と子役たちに感謝した。
1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。2011年のNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』でドラマデビュー。近年は、TBS系ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(2020)や『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021)で主演を務め、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021)などにも出演。2021年度後期連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』でヒロインを務める。9月には、初のエッセイ集『いろいろ』を出版し、発売から1ヶ月で7万部のヒット。歌手としても活動し、10月13日にダブルA面シングル「I'll be there/スピン」をリリースした。
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