談志さんと共感できる部分は「いっぱいありました(笑)」とのこと。「人を巻き込んでしまう感じとか、効果音をいっぱいしゃべるところとか似てるかなと思いました。困ったら『ピーピーパッポピー』とか言って、気持ちが言語化できないときに音にするのが『あー分かる分かる!』と思って(笑)。言葉を生業にしているという点で感じる点で、共通のものを感じる部分が他の人より多いだけかもしれないですね」と打ち明ける。
特に共感したのは「ウソをつかない」こと。映像の中で、談志さんは恥も含めて全てをさらけ出しているが、「“満島ひかりの人生にウソをつかない”というのを、私もずっとやってます。演じることをしておきながら何言ってんだという感じですが(笑)。でも、ウソをつかないって本当に大変なんですよ。中身まる出しですからね。まず“本当ってどこ?”というところから始まっちゃうし、たまにウソって魅力的で持っていかれそうになるし」と、苦労をのぞかせた。
■「体が熱くなるドキュメンタリーです」
今回のナレーション収録は、「自分自身が談志さんと出会っている感情と、いち視聴者の目線と、語りべになって作品に関わる1人でいることと、3つの自分がずっと同時進行していたんです。こんなに生き生きとした談志さんを見て気持ちがワクワクして、私もちょっと枠を外して面白がってやることができました。少し、談志さんに出会えた感じがします」と充実の表情。
談志さんが急にオナラをかます場面なども登場し、「たまにパンチを食らっちゃう(笑)」と油断できなかったが、「もう最高に間が良くて、やっぱりセンスも飛び抜けていますよね。普通の人はそこでそれをしないよということをガンガン不意打ちで突っ込んでくることがたくさんあったので、本当に飽きない方だなとドキドキする感じで、私も大好きだなと思いながら読んでいました」と、虜(とりこ)になったようだ。
そんな今回の番組について、改めて見どころを聞くと、「自撮りで語るのとかYouTubeの走りですし、着眼点がビビットでアイデアマンだし、もしかすると、老いていくというよりは、みんなより進みすぎちゃってて、談志さんが若すぎたのかもしれないなと感じました。めちゃくちゃだけど、温かいエネルギーがあふれているんです。ファンの青年に『仕方がないじゃんか、叫べよ』って色紙で書いて贈った場面なんて、ウ~ッ、ってなっちゃいました」と、満島自身も元気づけられたそう。
その上で、「初めて知る若い方も、飛び散るような談志さんのパワーに圧倒されるだろうし、談志さんの姿を久しぶりに見る方も『忘れてた、エネルギーあふれるこの感じ!!』と心が躍るのではないでしょうか。私もナレーションの途中で思わずグッときちゃったりして、内側から湧き上がる力を感じる、体が熱くなるドキュメンタリーです」と予告した。
●満島ひかり
1985年、鹿児島県生まれ、沖縄県育ち。97年に音楽ユニット「Folder」でデビューし、その後は俳優業を中心に、歌い手・執筆・ナレーションなど多岐にわたって活動中。来年は、日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』(1月7日公開)や、映画『川っぺり ムコリッタ』の公開と、Netflix主演ドラマ『First Love 初恋』の配信が予定されている。