そして、10月から“めざましファミリー”に加入。『めざましテレビ』は地元で放送を見ることができなかったため、「就活のときに東京の友達にDVDに録画して送ってもらい、それを見て勉強していました」というが、面接では「勉強不足でボロボロで…。『あぁ、これは落ちたな』と思ったことが何回かありました」と振り返る。
その中でも印象に残る失敗が、面接官でいた軽部真一アナとの初対面だ。
「DVDでは当時のメインキャスターであった永島(優美)さんをずっと見ていて、永島さん以外を見るのを疎かにしてしまって…。面接で『永島アナが出ている“めざましテレビ”をやりたいです』と言ったら、軽部さんに『僕も出ているんです…』と言われて、『そうだったのですね! 失礼しました!』と…」
そのときのやり取りを思い出し、「本当に申し訳ないなと思います」と反省しつつ、「軽部さんは今ではネタにしてくださるので、すごくありがたいなと思います」と、無事笑い話になった。
それだけに、『めざましテレビ』を担当すると聞いたときは、「すごくうれしかったのが第一に来て、その後に『私にできるのだろうか』という不安も。うれしさと不安が入り混じっていました」という心境に。初めてのスタジオは「ずっとお腹が痛くて…。先輩方が『大丈夫だよ』と声をかけてくれたので、何とか乗り切れました」というデビューだった。
この胸の内は、青森の家族にも伝わっていたそう。親戚宅でOAを録画してもらい、事後に見ることが多いのでタイムラグが発生するが、「結構緊張していたね」と感想を受け取ったそうだ。
“めざましファミリー”には、温かい雰囲気を実感。「私が加入するのが決まってから、ずっと『一緒に頑張ろうね』と声をかけてもらいました。スタジオ出演の前は『頑張ってね』と目線でエールを送ってくれて。『ココ調』を経験されたことのある先輩方からは、『こうしたほうがもっといいと思うよ』とアドバイスをもらい、とてもありがたいです」と感謝しながら、出番が終わるたびに「ずっと反省しています」と精進の日々を送っている。
■オールジャンルで幅広く活躍できるアナウンサーに
アナウンサーとして目標の存在は先輩の山崎夕貴アナで、「バラエティから情報・報道まで、多岐にわたって活躍されていて、私もオールジャンルで幅広く活躍できるアナウンサーになれたらと思いながら頑張っています」と意欲。
『めざましテレビ』、そして趣味を生かしたゲーム実況番組『リセットボタンはオサナイで!』(FOD)に、eスポーツ専門番組『いいすぽ!』のナレーションも担当しており、「ありがたいことにいろいろ挑戦させてもらっているのですが、毎回課題が見つかり、もっと頑張らないといけないなと思います」と謙虚に語る。
面接試験のために夜行バスで何度も往復し、標準語と異なる訛りを直すために、同期とは別メニューを追加してアクセント研修を受けるなど、努力を惜しまない小山内アナ。地元・弘前からキー局のアナウンサーになるのは異例のことだというが、「地域によっては、遠くて縁のない世界だと思われる方もいらっしゃると思うのですが、諦めなければ道が開けるということを少しでも伝えられたら」との思いもあるという。
入社して半年、周囲とのハンデは「特に感じないです。実家の家族が、私の出演している番組をちょっと見づらいというくらいで(笑)」と前向きに語るが、その精神力は幼少期に育まれたようだ。
「小学6年生でクロスカントリーの部活に所属したのですが、それまで経験もないし、運動神経もあまり良くなかったので、練習では一番遅くて。リレーも最後まで選ばれないという、つらい思いも経験しました。大会前は家でよく泣いていたのですが、最後の大会では個人に加えてリレーでも1位を取れたんです。昔の話ですが、この“諦めなくて良かった”という気持ちが自分の中に根付いていて、その経験に助けられることが今でもありますね」
あす17日放送の『めざましテレビ』で「ココ調」のコーナーに登場予定の小山内アナ。この先、様々な壁にぶつかることがあるかもしれないが、持ち前の精神力で乗り越え、大きな活躍を見せてくれることを期待したい。
●小山内鈴奈
1996年生まれ、青森県出身。弘前大学卒業後、21年にフジテレビジョン入社。『めざましテレビ』のほか、『いいすぽ!』のナレーション、『リセットボタンはオサナイで!』(FOD)などを担当する。趣味は、読書、アニメ、ゲーム、手芸。モットーは「明けない夜はない」。