――『テン・ゴーカイジャー』でのマーベラスの見どころについて、教えてください。

地球にやってきたマーベラスは、単独で歴代戦隊ヒーローを相手に、めちゃくちゃ激しく戦っています。ゴーカイレッドには最後のほうまでチェンジせず、ほとんど生身のままでアクションをやりました。ここはぜひ注目してください。

――撮影で苦労されたのは、どんな部分ですか?

今回、マーベラスが「眼帯」をしていることです。片目が見えないので遠近感がつかめず、そんな中で剣を持ってアクションをするのがとてもやりにくかったですね。途中から、アクション用の眼帯を用意してもらって、それからはスムーズに動けるようになりました。

――久々に「スーパー戦隊」の現場に帰ってきたと実感できたのは、どんなシーンを撮影しているときですか。

アクションシーン全般です。通常のドラマでは、あそこまで激しい動きはしませんし、あんなにデカい剣は持ちませんから(笑)。また、ヒーローや敵怪人を含め、スーツアクションを務める方たちとのやりとりがものすごく多いですね。キャラクターとのお芝居というのも、スーパー戦隊ならでは。久しぶりの体験で、懐かしい気持ちになりました。

――キャッチコピーに「10年の月日が奴らを変えた」とありますが、マーベラスが鎧と剣を交えるなど、ゴーカイジャー6人の絆に異変が……? というハラハラするような導入部だとうかがいました。マーベラスはどんなところが変化したのでしょうか。

眼帯をしていたり、衣装もいつもと違っていたり、マーベラスの外見にいっそうの凄みが加わっているのが特徴ですよね。しかし、今回のお話では地球人の姿勢そのものが「ちょっとおかしいぞ」と思えるもので、マーベラスはそれに立ち向かう形になっています。

マーベラスは見た目こそ変わりましたが、中身はほとんど変わっていません。今回のマーベラスを演じるにあたり、久しぶりに訪れた地球で人々が“変わってしまった”のを痛感し、こんな風になっちゃって悲しい、悔しいという彼の気持ちを想像しながらやっていました。

――強く印象に残ったシーンを教えてください。

マーベラスがブラックコンドル(『鳥人戦隊ジェットマン』)と戦うシーンです。ブラックコンドル/結城凱を演じられた若松俊秀さんは『ゴーカイジャー』にゲストで来ていただいたときに初めてお会いして、今でもずっと仲良くしていただいている先輩ヒーローのひとりなんです。それだけに、役の上だとしても戦うのはイヤだなあと思いながらアクションをしていました。『テン・ゴーカイジャー』には歴代「スーパー戦隊」のマニアックな要素があちこちに入っていますので、細かいところも注意してご覧になっていただきたいです。

――学研から発売された「学研の図鑑 スーパー戦隊」が「スーパー戦隊ダービーコロッセオ」に興じる人々のテキストになっているのも楽しい趣向ですね。

あの本って、映画のために作られた小道具だとばかり思っていました。本当に発売されていたんですか。こんど本屋に行って探してみよう(笑)。

――小澤さんがこの10年間、マーベラスという人物を演じてきてどんな思いを持たれていますか。

僕自身、一緒に歩んできた感じがすごくあって、マーベラスも日々成長できているんじゃないかと思います。『スーパー戦隊最強バトル!!』で若い後輩ヒーローとマーベラスが絡むとこんな風になるのか、とか新しい発見がある一方で、『テン・ゴーカイジャー』で10年ぶりに仲間と結集するとこんな感じなのか……と、マーベラスと僕がいろいろな体験をしながら、これからも一緒に前へ進んでいきたいです。

――先輩ヒーローにも、後輩ヒーローにも豪快チェンジが可能なゴーカイジャーのみなさんですから、またいずれどこかでさっそうと現れてくれるかもしれませんね。

『ジュウオウジャー』のとき、ゴーバスターズ以降の後輩ヒーローにも豪快チェンジしましたからね。それ以降の戦隊にもチェンジするかもしれませんし、今後もどうなるかわかりませんよね。ゴーカイジャーだけズルいというか、すごい設定だなって思います(笑)。

――現時点での最新戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)のことはご存じですか。特に、ゼンカイジャーの仲間ゾックス・ゴールドツイカー(演:増子敦貴)が痛快にチェンジするヒーロー「ツーカイザー」について、どう思われますか?

もちろん知っています。すごくゴーカイジャーに似ていて、びっくりしました。テレビ劇中で「デザインをパクった」なんて言っていたのにも驚きましたが、「ああ、パクったんだ。だったらしょうがないな」と笑っちゃいました。

――最後に、『テン・ゴーカイジャー』の上映、ならびに映像ソフト発売を楽しみにしているファンの方々に小澤さんからひとことメッセージをお願いします。

『テン・ゴーカイジャー』には、10年前を思い出すような懐かしいシーンや、10年越しの新しい発見など、いろいろな見どころが満載されています。10年の月日を経て、大人になったマーベラスたちの活躍をご覧いただいて、よりいっそうゴーカイジャーを大好きになってもらえればうれしいです。

Vシネクスト『テン・ゴーカイジャー』は、2021年11月12日より期間限定上映開始。そして東映ビデオから2022年3月9日よりBlu-ray&DVDが発売される。

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