活躍の幅をますます広げている田中。2021年は自身にとってどのような年になっているのだろうか。

まず、自分の体と向き合う一年になったという。「2021年はPEACH JOHNさんのミューズをやらせていただいた一年ということもあって、かなりストイックに体を作り込み、35歳という年齢を目前に大きく崩れることを防ぐことができました。このタイミングでこんなに自分に対してストイックになれたことは、この先の自信になると思います。素晴らしい経験になりました」。

一方、女優業に関しては厳しい自己評価を下す。さまざまなドラマに出演し、現在放送中のTBS系ドラマ『最愛』にも出演中。初主演映画『ずっと独身でいるつもり?』も11月19日に公開されるなど、女優としても存在感を増しているが、「女優業ではまったく何も残せていないので、納得のいかない一年です」とのこと。

続けて、「作品は残っていきますけど、けっして満足のいくものではないので、女優業に関しては実りのある一年だったとは言えません。主演映画といっても、胸を張って主演ですと言えるものでもなく、いつか自信を持って『私の代表作です』と言えるようなものができれば」と語る。

女優業において、美の追求と相反するような役を与えられ、葛藤することも今後出てくるかもしれない。

『最愛』では、色気を封印してフリーの記者・橘しおり役を熱演中。「極力、田中みな実っぽさをそぎ落としてください」と監督から言われ、「色気を出さないように! 座るときは足を広げ、カメラの持ち方ひとつとっても荒々しく!」と普段の自分とは対極にあるような人物を演じている。

「ヘアメイクはほとんどしていません。自分で下地を作って、眉毛くらいは描きますけど、それ以外は何にも。髪ゴムを1本渡されて、自分で髪を結んで現場に入るんです。マニキュアも落とします。フリーの記者ということで爪の手入れが行き届いていたらいけないと思い、撮影の前日にたくさんブドウの皮をむいてあえて黒くしたりして」と裏話を披露。

そして、「役作りで痩せるとか、必然性があればそういうことも今後あるかもしれませんが、そのときは、“美しくいたい”というマインドはそのままに、役に入るときは手放すという、それだけのことだと思っています」と語った。

最後に、今後どの仕事に重きを置いていこうと考えているのか尋ねると、「自分でバランスを考えたことはこれまでもなくて、比較的成り行き任せ。人と環境に恵まれていると感じます。だから今後も自らかじ取りをする必要はないのかなと。大きな決断は必ず自身が下してきましたが、そのバランスはありがたいことに感覚的に備わったものなのかうまくとれている気がします。これからもあまり考えず、流れに身を任せて生きていきたい」と笑顔で答えた。

■田中みな実
1986年11月23日、アメリカ生まれ、埼玉県出身。青山学院大学卒業後、TBSに入社。2014 年からフリーに。2019年に発売した写真集『Sincerely yours...』(宝島社)が大ヒット。2020年は、日経トレンディが選ぶ「今年の顔」、「GQ MEN OF THE YEAR 2020」、VOCEが選ぶ「2020年最も美しい人」などに選出され飛躍の年に。『グータンヌーボ2』(フジテレビ系)、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)、『田中みな実 あったかタイム』(TBSラジオ)などに出演中。

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