■黒いドレスのカットに込められた思い

――どのカットも素敵だったのですが、その中でも黒いドレスを着たカットには特別な思いが込められているそうですね。

一番最初にやりたいと思ったのが、この黒いドレスのカットでした。自分の髪がなくなっちゃって坊主頭になった時、海外の女優さんが髪を剃って、かっこいいメイクをしている写真をインスタグラムで見つけて。すごくキラキラ輝いている彼女の姿に、私も頑張ったらあんな風にかっこよくできるのかなって、いっぱい勇気をもらいました。

私はどちらかと言うと穏やかなタイプだと思うんですけど、私が彼女に勇気をもらったみたいに自信をなくしている人に自信を持ってもらえるように、確固たる強さみたいなものを表現したかったので、このカットはすごく好きですね。

――その海外の女優さんにも、ぜひ見てもらいたいですね。

届きますかね(笑)? 今まで着る機会がなかったような衣装を着てみて、自分のなかでも思い切りが出せるようになったというか、何でもチャレンジしてみたいという気持ちがすごく強くなりました。すごく楽しかったです。

■日本中がもっと幸せになるように……

――写真集のインタビューページでは、周りへの感謝を改めて感じるようになったとお話されていて。インスタグラムでは、同じご病気から復帰を果たした笠井信輔さんからも連絡をもらったと書かれていました。

大先輩ですし、まさかお話する機会をいただけるとは思っていませんでした。今でも体調を気遣っていただいたり、写真集を出すことにも「おめでとう」と連絡をいただいたり。闘病中、皆さん心配してくれているので様子を見ながら声をかけてくれるんですけど、それが腫れ物に触るようだと感じてしまった時があって……。

でも笠井さんは「おお、調子どうよ?」みたいなテンションでお話をしてくださって、変に特別扱いされていないというか、きっと私が病気じゃなくてもこんな風に接してくださったんだろうなと。その時に、自分はみんなより大変な思いをして、つらい人生だなって悲観する必要はないんだと思えて、それからすごくポジティブになれた気がします。

――笠井さんとの交流でパワーをもらえたんですね。では最後に、安本さんが今思い描く将来や今後実現したい事を教えていただけますか?

私の姿を見て、自信が持てたり、元気になれたり、アイドルって元々そういう存在ではあると思うんですけど、その中でも一番くらいの存在になりたいです。誰かの人生を変えることは難しいかもしれませんが、何かのきっかけになれるような存在になれたらって。

すごく大きなことを言うんですけど、みんなが自分のことを好きになれたら、日本中がもっと幸せになるだろうなと思うので、そういう気持ちを伝えていきたいです。

――すごく素敵です!

めっちゃ大きく出ました(笑)。

■プロフィール
安本彩花(やすもと・あやか)
1998年6月27日生まれ。東京都出身。小学4年生の時に現事務所からスカウトされ、芸能界入り。2009年10月、私立恵比寿中学に転入。2012年5月、1stシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビュー。2013年12月には、日本人史上最速となるメジャーデビューから1年7カ月でさいたまスーパーアリーナ単独公演を実現。2014年4月、東京・日本武道館で初コンサート。生誕ソロライブも精力的に行っている。2021年10月、セルフプロデュースによる初写真集『彩aya』を発売。

(C)SDP