売上のことを考えるなら、機種変更を受け付けたほうがよかったのかもしれません。しかし青木さんは、お客さまのやりたいことを叶えようと、使い方のレクチャーを行います。ですが……
思い悩みながらも、「お客さまのことを思って、一番の対応をした」青木さん、その想いはしっかりとお客さまに届いていたようです。読むと心が晴れるようなこの漫画、販売や接客の仕事を経験した方を始め、多くの共感が寄せられています。
「昔、似たような業界にいましたけど『件数』、『進捗』、『実績』と"数字"がモノをいう世界。それでも自分とお客さんが"Win-Winの関係"を築けばお互いおトクですし、それはこの業界に限った話ではないんですよね」「経験があるから凄く良くわかります。これが本当の誠意あるサービスですよね」と、経験をした方だからこそ実感することも多いようです。
自分自身の誠意とは何だろう、と考えたくなるような「『誠意』について自分なりに考える話」の漫画、作者のみれさんにお話を伺いました。
投稿者に聞いてみた
――漫画のテーマを決められたきっかけをお教えいただけますでしょうか。
元々こちらのマンガは「クニエ漫画グランプリ」というコンテストに応募するために制作しました(私のマンガは最終選考で落ちてしまいましたが)。コンテストは元々あるいくつかのテーマからお題を選んでマンガを描くといったもので、その中にあったテーマの1つが「誠意」でした。
このテーマを目にした時、私自身が「誠意」の意味をきちんと口頭で説明できないことに気づきました。自分自身も「誠意」という言葉の意味を再確認する意味も込めて、このテーマでお話を作る事に決めました。
――自分の体験に重ねて読まれた方も多い漫画ですが、執筆される中で心掛けたことはありますか?
「誠意」という言葉は、やはり一般的にクレームや謝罪をする時に使われる印象が多いと思います。ただ今回の漫画では、「誠意」という言葉の中に「感謝」や「人との繋がりの暖かさ」など『まごころ』を感じていただければと思いました。
漫画の主人公(青木さん)には作者である私自身が見つけた「私なりの誠意の意味」を代弁していただくので、その私が込めたいメッセージが読む方に押し付けがましくなってしまっていないか、悩みながら描きました。
私自身が「人には人それぞれの考え方がある」と思っていて、それを尊重したいので、「誰かの意見を完全に否定するような作品にはしたくない」と注意しながらいつも漫画を描いています。
――多くの方から共感が寄せられております。
沢山の方に共感していただき、正直とてもビックリしています。私なりに見つけた答えを、青木さんという主人公の体験を通して多くの方に共感していただき「この漫画を描いてよかった」と心から思いました。
様々な職種の方からこの漫画を読んで「泣きました」とのご感想をいただきましたが、その感想を読んだ私も感動で泣いていました!
この漫画の投稿には、多くのリプライや引用リツイートが寄せられていますが、なかには「接客やってて最近誠意が分かんなくなってたので、まわり回っていい結果につながることを信じて精一杯の接客をしていきたいと思いました!」と、今の仕事を振り返るコメントも。日々仕事をしていると青木さんのように悩む場面もあるかもしれませんが、そんな時に思い出したい漫画ですね。
『誠意』について自分なりに考える話
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(8/8)完
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