インタビュー中、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』のシーンを茶目っ気たっぷりに再現したり、どんな質問にも熱っぽく答えていた木村。ポジティブオーラの原点が気になるところだが、「家族も明るいんですよ」とのこと。「小さな頃は祖父と一緒に過ごすことが多かったんですが、とにかくギャグが好きな人で。ご飯を食べたあとには『うまかった(馬勝った)。牛、負けた』とか言うんです(笑)。ユーモアがあるって、いいことだなと教えてもらったような気がしています。あとは家族みんな、すごくオープンですね。隠し事もないし、なんでもさらけ出せるような家庭です」と楽しそうに語る。
豪快な笑顔がなんとも気持ちいい木村だが、オープンな家族だけでなく、先代のジャイアン役の声優で、2015年に亡くなった声優・たてかべ和也さんの生き様からも大きな影響を受けていると打ち明ける。
ジャイアンという大役を受け継いだあとは、「僕はジャイアン以外もできるんだということを知ってほしい、ジャイアン役のイメージから脱しなければいけない」と葛藤することもあったという木村。「たてかべさんが亡くなって、ご遺体と面会をさせていただきました。棺の中を見たら、たてかべさんはジャイアンのTシャツを着て、マイクを持っていたんです。その姿が、めちゃくちゃかっこよかった。『なんで僕は、ジャイアンのイメージから脱しようとしていたんだ』と思うくらいかっこよかったです。生涯をかけてジャイアンを演じた人がいて、そんなすばらしい役を受け継ぐことができたんだと。たてかべさんに相談すると、『ジャイアンは豪快なヤツだから、思い切りやってくれ』という一点張りでしたが、そのときに本当にその言葉の意味がわかったような気がして、豪快に生きるってこういうことなんだなと実感しました。僕も思い切りジャイアンを演じて、思い切り生きていきたいです!」と清々しく宣言していた。
1990年6月29日、ドイツ出身。2005年に『ドラえもん』の2代目ジャイアン役として声優デビュー。『輪るピングドラム』の高倉冠葉役や『呪術廻戦』の東堂葵役を務め、ラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」では山田一郎役を演じてラップも披露している。2020年10月からは子ども向けバラエティ番組『おはスタ』のメインMCを担当。テレビ朝日で放送中の特撮ドラマ『仮面ライダーリバイス』では、主人公の相棒・バイス役を演じている。また「天才劇団バカバッカ」の座長としても活躍中。